小樽図書館の図鑑第3巻 北海道の鉄道

 市立小樽図書館(花園5)では、市民の収集家がコレクションを紹介する「図書館の図鑑」シリーズ第3巻「北海道の鉄道」を、2月5日(土)〜27日(日)に同館1階エントランスと2階ギャラリーで開いている。

 

 今回は、フリーライター・渡辺真吾氏の鉄道コレクションを紹介。

 

 同氏は東京生まれで、北海道大学文学部卒業後、博物館関係の仕事に就く。小樽の歴史や文化などの研究を続け、著書に「明治・大正、小樽のできごと 新聞記事拾い読み」など。

 

 2階へ通じる階段には、失われたローカル線に残る駅舎と題し、同氏が撮影した、岩内線幌似駅や上砂川線上砂川駅の独特な駅舎などを、写真で確認することができる。

 

 2階のギャラリーでは、ショーケース内の貴重なコレクション85点を含め、展示替え分を合わせると約160点、鉄道にまつわる本と同氏が書いた資料等130点を展示。同館の本は貸出可能。

 

 長い年月をかけてコレクションした同氏の情熱が伝わる物ばかりが並び、貴重な市販品のほか、苫小牧から支笏湖の発電所まで走っていた通称:王子山線の支笏湖畔で千歳川を渡っていた、初代の木の橋(縮尺1/80)と客車縮尺1/48)や、ガソリン機関車の曳く殖民軌道の列車(縮尺1/48)など、どれも細かく正確に作られている模型も展示。

 

 列車の衝突を防ぐために使用されたタブレットや駅スタンプ、愛国から幸福駅ゆきの切符や帯広から釧路の特定特急券など、現在との運賃の違いにも驚く。

 

 さよなら浜中町軌道シリーズ記念乗車券セットや記念のオレンジカードなども、鉄道マニアにはたまらないコレクションばかりだ。

 

 市立小樽文学館で常設展示している小樽-余市間往復の車窓景色のDVD(48分11秒)は、10年ほど前に同氏が撮影したもので、同館の協力を得て10:30〜15:25に上映。

 

 わくわくブック号の運転手2名の協力により、列車の座席をリアルに再現し、窓の部分から映像を流している。緑色のモケットの座席も同氏のコレクションだ。

 

 同館・嶋田実のりさんは、「これだけのコレクションを持っているのは、鉄道に対する凄い情熱をもっていることだと分かる。

 

 手先も器用で、素晴らしい技術の持ち主であり、市内にこんなにすごい収集家がいると、展示を通じて知ってもらいたい。

 

 鉄道を好きな方は多いと思うが、一般の方でも楽しみながら見られ、興味を持ってもらえると思う」と話した。

 

 予定していた講演会「渡辺さんに聞く国鉄時代の思い出」は延期となり、開催日程は未定。

 

 ◎市立小樽図書館(外部)

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