土肥美帆写真展「北に生きる猫」 ギャラリートーク

 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室で開催中の土肥美帆写真展「北に生きる猫」に関連し、土肥氏とコーディネイターの杉本真沙彌氏によるギャラリートークが、2月6日(日)14:00から企画展会場で開かれた。

 

 事前申込の30名が参加し、被写体の中心となる猫のケンジや写真を通じての出会いなど、1時間かけて語った。

 

 土肥氏が撮影に出かける漁師の親友だった杉本氏が、同写真展のコーディネーターを務めている。

 

 スランプに陥り撮影場所を探していた土肥氏は、鳥たちに囲まれた浜のおじいちゃんを見つけ、日本にはまだこんな場所が残っていたんだと懐かしさがこみ上げ、おじいちゃんのところにいるメス猫のきっこちゃんを追いかけているケンジの姿が面白くて、撮影したのが始まりだった。

 

 猫がテーマなので、猫の写真が多いが、昭和の雰囲気が漂うおじいちゃんの写真もある。

 

 浜の生活は朝が早くて日曜日もなく、働き者のおじいちゃんは温かい人で、きっこちゃんを囲んで和やかな時間を過ごし、いろいろな話を聞いた。

 

 2018(平成28)年におじいちゃんが亡くなり、同じ頃、きっこちゃんも浜から姿を消したという。

 

 土肥氏の心にはぽっかりと穴が開き、その穴を埋めてくれたのがケンジだった。ケンジを見ていると、明るい気持ちになれ、気が付けばケンジばかりを追いかけている自分がいたという。

 

 道路のど真ん中を歩き、いつも堂々としていて、気持ちもおおらかで、男気があり、本気でけんかする相手は1頭だけで、常に男らしくはみ出しっ子にも優しいのがケンジの魅力。

 

 杉本氏もケンジの家を訪問し、子育て中のケンジファミリーを見せてもらった。オス猫は子育てをしないものだが、ケンジは違った。

 

 土肥氏は、ケンジにそっくりな子猫を家族にし、「猫のことばかり考えていたが、ケンジとの出会いで人との出会いもあり、良いことばかり。ケンジの存在はとてもありがたい。

 

 “ケンジを好きになる”をサブタイトルにしたのは、みんなケンジを好きになって、猫たちをもっと好きになってくれたらケンジも嬉しいと思う。愛の手を差し伸べることが広がれば」と話した。

 

 2回目のギャラリートーク「土肥美帆×加藤重男(みんみん舎代表、河出出版新社北海道地区コーディネーター)」は、4月29日(金・祝)14:00からを予定し、4月2日(土)9:00から受付を開始する。先着30名。問合せ:0134-34-0035 市立小樽美術館。

 

 土肥美帆写真展「北に生きる猫」 5月8日(日)まで
 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室
 3月21日除く月曜日・2月15日・24日・3月22日・23日・5月6日休館
 要観覧料

 

 ◎土肥美帆写真展「北に生きる猫」(外部)

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