受験生の安全を守る 小樽商大で不審者対応訓練

 小樽警察署は、大学入学共通テスト会場の東京大学敷地内で、刃物を持った男に受験生などが切り付けられた殺人未遂事件が発生したことを受け、2月18日(金)11:00から小樽商科大学(緑3)事務棟第一会議室で、不信者対応訓練を実施した。

 

 同大学は25日(金)に入学試験を控えており、受験生が安全に試験を受けられるように、同大学職員(保安担当や守衛・教授等)23名が参加し、刺股(さすまた)の使い方などについて訓練した。

 

 鈴木副学長は、「地震や火災防御訓練が多いが、防犯訓練は初めて。刺股の道具は本学にも導入し、本格的に使い方を練習し慣れてほしい」と話した。

 

 同署生活安全課・浜島美輝課長は、「25日に試験会場となり、模倣犯が出るのではと緊張している。受験生には安全に受験をしてもらいたい」と話し、発寒イオンで発生した事例を紹介。

 

 昨年12月に、札幌市西区の発寒イオンモールで不審者が暴れて、店舗の職員が刺股で取り押さえ逮捕された。事件発生の一月前、札幌方面西警察署が店舗職員を対象に不審者対応の訓練が実施されていた。

 

 同署・坂井慎太郎係長が刺股の使い方を説明。刺股は相手を攻撃するものではなく、あくまでも犯人を近づけさせないよう遠ざけるもの。建物の出入口付近に保管。押さえ方としてけさ(肩から斜め)押さえが有効。

 

 不信者に遭遇した時は2m以上の距離を取って、来訪理由を尋ね、曖昧な場合は明らかに不審者のため、許可なく立ち入らないと退去してもらい、110番通報する。対応する人・通報する人・避難誘導する人・救護する人などをあらかじめ決めておく。

 

 参加者は実際に刺股を持ち、不審者に扮した同署の刑事を相手に左右に動かすなどして押さえ方を体験した。

 

 職員の男性から「大学に備えておいた方が良いものは何か」の質問には、「防犯カメラを設置し、設置をわかりやすく伝える」とアドバイスした。

 

 このほか、館内放送を活用する例としては、事前に不審者通報時に流す文面を決めておくと、不審者にも気づかれずに通報に繋がると話した。

 

 教員の女性は、「実際に使うのは難しいが、初めて刺股に触りとてもためになった」と話していた。

 

 訓練終了後、浜島課長は、「不審者を見たらいち早く通報してほしい。25日の試験日当日は巡回を強化し、無事に安全に受験してもらいたい」と話した。