北海道高等聾学校専攻科修了作品展 2年間の集大成

 北海道高等聾学校(銭函1・室岡弘明校長)専攻科情報デザイン科(2年課程)の2021(令和3)年度修了作品展が、2月17日(木)から市立小樽美術館(色内1)多目的・市民ギャラリーで始まった。

 

 今年度の同科修了生は池田亜美さんだたひとり。これまで学んだことの集大成となるインスタレーション作品「untitled(無題)」を、市民ギャラリー2の空間を活用して発表。訪れる人たちの心に印象付けた。

 

 同科・桑原一哲教諭によると、校内敷地内で藍を育てるところから始まり、反省点を活かして2年目、職員の協力も得て銭函の地で育てることに成功。藍染に詳しい教諭にも教わり、クリエイティブな要素を取り入れた発想や創造性を組み込んだという。

 

 校舎周辺に生息するフキやヤブカンゾウなどから紙を梳いてパーツにしたり、コーヒーで染めたタコ糸で、藁を組み合わせたオーナメントのヒンメリを吊るすなど、工芸的な要素と現代アートの要素を組み合わせた大作が完成。

 

 このほかに、同科一年生がCGで作った折り紙を使用し、三角のパーツをつくり貼り合わせた「Optical Art」は文化祭で校内の渡り廊下で発表した一部もので、根気がいる手作業で丁寧な仕事ぶりが伺える。藍染のタオルや紙バンドで編んだ籠などセンス溢れる作品も並んでいる。

 

 同科1年生3名もグラフィックデザイン約20点を出展。どれも鮮やかで独自性に満ちていて、同修了展を盛り上げている。

 

 中には、池田さんの藍染の作品を商品としてロゴを作ったり、宣伝するポスターもあり、技術を駆使した作品ばかりだ。

 

 会場内のDVDでは、池田さんが藍染をする様子が流れ、授業風景も知ることができる。

 

 桑原教諭は、「ひとつひとつのパーツは、2年間の積み重ねの成果として印象深い作品。学びの深さに感動していただければと思う。銭函の育てた素材、風土性も作品から感じとってもらいたい」と話した。

 

 市民ギャラリー1では本科美術部作品展を開催。高文連全国大会推薦作品も展示中。

 

 北海道高等聾学校専攻科情報デザイン科令和3年度修了作品展
 2月17日(木)〜20日(日)10:00〜17:00(最終日15:00)
 市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー 入場無料

 

 ◎北海道高等聾学校HP(外部)

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