ロシアとウクライナへ 小樽から平和願うメッセージ

 ロシア語とバレエ教室“J−DANCE〜TAQMI〜”主宰の高橋匠美さんが率いる小樽劇団「空色の列車」のメンバー7名とロシア・ナホトカ市名誉市
民のダンスうんどう塾小林英夫塾長も参加し、ロシアとウクライナ両国の平和を願うメッセージの動画収録を、3月6日(日)15:30からJ−DANCE〜TAQMI〜空色の列車スタジオ(色内2・旧手宮線内)で行い小樽から発信した。

 

 ロシアに居住経験がある高橋氏は、連日ロシアのウクライナ侵攻に心を痛め、小樽から平和のメッセージを発信しようと立ち上がり、同劇団員と共に、両国の平和を願った。

 

 参加者は、ロシア語と日本語で書いたメッセージを掲げ、追悼の意味を込めてBTS(防弾少年団)の「春の日」を歌い、高橋氏が平和の祈りを込めて即興でダンスを踊り戦争反対を訴えた。

 

 小樽は、ロシア・ナホトカ市と姉妹都市関係にあり親交を深めてきた。1985(昭和60)年からロシアと国際ダンス交流を通じて親交に尽力してきた小林
氏は、1990(平成2)年にナホトカ市名誉市民証を、2000(平成12)年に貢献勲章を受賞。この度のウクライナ侵攻に「戦争は勝っても負けても良いことはない。地
球に住んでいる人はみな家族。悲しい涙を流さず、感動の涙に変えたい」と、自作のメッセージボードを掲げ参加。

 

 ロシア語教室に通う小池晶さんは、「ロシア語で世界と平和は同じ単語。素晴らしい文化を生み出した国は、平和も生み出せるはず」とメッセージを掲げ、「平和のメッセ―ジを届けようと喜んで参加させてもらった」と話した。

 

 高橋氏は、ロシア暮らしの中で、愛情深いロシアのお母さんに助られてきた思い出を振り返り、「戦争が起こりロシア人が悪いと言われているが、国民の中には反対の声を上げている人も沢山いる。バレエダンサーや先生の間では、ウクライナとロシアは兄妹のような関係だったので、とても心を痛めている。ロシア国民も同じ。ウクライナとロシアの国民のために、小樽から平和を訴えることが必要。戦争に勝利はない。罪のない子どもたちが悲しんでいる。両国の国民が笑顔で過ごせるよう願う」と、切ない気持ちを語った。

 

 同氏は、4歳からバレエを始め、小樽潮陵高校在学中にバレエの名門ロシア国立ワガノワバレエ学校に留学。レニングラード国立バレエ団でロシアバレエを習得。2011(平成23)年に、サンクトペテルブルク国立大学・国際ジャーナリズム学部を卒業。その後、サンクトペテルブルクなど13年間の海外生活を経て、8年
前にふるさと小樽に戻り、小樽を拠点にバレエやロシア語を指導している。

 

 2018(平成30)年には、ロシアバレエと歌とダンスの祭典を企画開催し、友人のロシア人バレエダンサーを小樽に招き共演するなど、小樽の子どもたちにも世
界に視野を広げる機会や身に着けた文化芸術を伝えようと、様々な企画を用意していた。

 

 ◎小樽劇団【空色の列車】(外部)

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