小樽なえぼ公園の春便り 森の自然館開館

 5ヶ月間冬期休館中だった、長橋なえぼ公園(幸1)内の森の情報センター「森の自然館」が4月12日(火)開館し、公園内の花々も徐々に冬眠から目を覚ます。

 

 館内常駐の山本謙也指導員と女性スタッフも笑顔で対応。閉館中も散策を日課としている市民らは、再会を喜んでいた。

 

 この仕事に就いて5年の山本指導員は、これまでの中で一番の雪の多さを体験したという。

 

 例年ならば、エゾエンゴサクなどのスプリングエフェメラルが開館に合わせて、あちこちに咲いているところだが、大雪だった今年は雪溶けが遅く、数日前まであった積雪がやっと溶け、開花には至っていない。

 

 それでも春を告げる水芭蕉や座禅草、オタマジャクシの卵などを確認することができ、散策を楽しむ市民らが小人数で訪れていた。

 

 自然館の中には、写真展常連の小松スタジオ・小松淳平さん撮影「春の花」を特集したコーナーが、来館者の目を引いた。学習室や図書コーナー・工作室も完備し、障がい者用のトイレも設置。散策前後の休憩所としても利用できる。

 

 12日の最高気温は17℃(9:47)を記録。雪融けもかなり進み、笹薮の中には黄色い花を元気に咲かせたナニワズ、林床に自生するエゾユズリハなどを見つけることができた。咲き始めたばかりのキクザキイチゲを数輪見つけたが、残念ながらエゾエンゴサクは見られなかった。

 

 カタクリは、日当たりの良い場所のものからすでに蕾をつけていて、今年は群生がさらに成長しているか気になるところだ。丁度見頃を迎えた水芭蕉や座禅草の郡生も成長し、オタマジャクシの卵も数日前に産み付けられていた。

 

 山本指導員は、「ここ10年間になかった大雪が降り、雪融けが例年よりも遅い。花の開花など全体的に1週間ほど遅れているが、今後の気温によっては早まることもある。昨年は観察会ができなかったので、今年は、最初を5月15日から全6回を予定している。ぜひ参加してもらいたい」と話した。

 

 (右から座禅草、カタクリ、エゾユズリハ、ナニワズ)

 

 森の自然館(0134-27-6061)
 4月12日(火)~11月10日(木)9:00~17:00(10月1日〜16:00)
 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)休館

 

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