新合祀者遺族と役員でしめやかに 第77回招魂祭開催

 八重桜が満開の季節の訪れとともに、小樽で一番早い祭り・招魂祭が、小樽公園(花園5)顕誠塔前広場で、5月15日(日)11:00からしめやかに行われた。

 

 77回目となる招魂祭は、新型コロナウイルス感染症対策として、新合祀者遺族と顕誠会役員の少人数で行われ、参拝者全員による玉櫛奉天を行い故人の遺徳を偲んだ。

 

 小樽では、招魂祭と言えば雨が降ると言われていたが、近年はその言い伝えも外れる年が多く、本日も雨に濡れることなく好天となった。

 

 新合祀者遺族4家族6名と、小樽顕誠会の堀口雅行副会長、同顧問・迫俊哉市長をはじめとする役員20名、一般参加者12名が出席し、小樽総鎮守住吉神社の星野昭雄宮司ら神職3名により執り行われた。

 

 同公園に聳え立つ顕誠塔は1923(大正12)年に建立され、御影石で作られた道内有数の慰霊塔のひとつで、戦死者や小樽に貢献した人を慰霊し、1945(昭和20)年からは、郷土小樽市に貢献した人を合祀することとし、2016(平成28)年からは、参列者遺族の高齢化と運営担当者の負担を軽減し、末永く祭典を継続するために本祭1日に縮小した。

 

 2022(令和4)年度は、小樽市及び道内障害者の福祉増進に寄与した者、長きにわたり地域福祉の向上に尽力した民生児童委員、医師など、それぞれの分野で尽力し功績を収めた10名が新たに合祀され、既合祀者3,484名と郷土功労者1,241名を合わせ4,725名を慰霊。

 

 市長は、「築かれた偉大な歴史と伝統を踏まえ、郷土小樽の輝かしい未来を築くため、知恵を出し合い努力を重ねる所存である」と決意を新たにした。

 

 欠席した野坂和弘会長に代わり堀口副会長は、「例年、涙雨が降ると言われているが、ここ3年ほどは降らず良い天気に恵まれ、春の高校野球の熱戦も聞こえ、招魂祭ならではの光景。

 

 今年度も感染防止対策として、顕誠会役員と新合祀の遺族のみで行われている。1日も早く、多くの皆さんが参加できる日を願っている」と挨拶した。

 

 奉納行事として、日本詩吟学院小樽支部岳船会5名による奉納吟「小樽功労者の魂に捧ぐ」が行われ、会場に歌声が響き渡った。

 

 5月4日(水)弊社に、「同公園を散歩中に顕誠塔の正面のタイルがはがれ落ちている」と、埼玉県から帰省中の人から写真付きでメールが届き確認したところ、同会関係者によると、4月末に顕誠塔の破損に関する情報をもらっていて、現在どうするか検討しているところだという。

 

 剥がれ落ちたタイルは顕誠塔の下に置かれたままで、関係者は、タイルの崩れが少ないことから、雪が積もっていたころに落ちたのではないかとみている。

 

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