インターネットの特性学ぶ 小樽菁園中で情報モラル教室

 小樽市立菁園中学校(花園5・宮澤知校長)では、6月30日(木)5時間目に1年生と保護者、6時間目に2・3年生を対象に、情報モラル教室を開き、年間50カ所で同教室を開いている小樽市教育研究所・藤平繁範氏(ICT支援員)が講師を務めた。

 

 情報社会が進む中、児童・生徒のスマートフォンやSNSを活用する機会が増え、トラブルも中高生から小学生へ年々下がってきていて、18歳まで安全に賢い使い方を身につけてほしいと語った。

 

 青少年のリスク志向による、危険と分かっていても感情が優先して危険を犯してしまう傾向にあり、自分にとって都合の良い情報を集めてしまう確証バイアス、自分は大丈夫をと思ってしまう正常性バイアス、見た目で判断してしまうハロー効果、いつも1万円なのに、5千円だとしたら得に感じるアンカリング効果、多くの人が支持しているものは正しいと思い込むバンドワゴン効果など、身近に存在している心理現象で、良い選択や判断を逃してしまうなど、これまでの経験による先入観で、事実を正しく認識できずに不合理な意思決定をしてしまう心理現象「認知バイアス」について説明。

 

 情報の偏りがあり、同じ意見が集まり正しいと信じてしまう傾向や、過度の承認欲求によりTwitterやLINEで過激な投稿をしてしまい、他人の悪口がいじめの発端となりエスカレートしてしまうという、インターネットの特性を例を挙げて解説した。

 

 ネットトラブルから身を守るためには、危険と分かっていても感情が優先されていないかという「リスク志向」や、自分だけは大丈夫に根拠はあるか?という「正常性バイアス」、自分を認めてほしいなどの存在を自覚する「承認欲求」、それって大丈夫?本当という「批判的思考」を持ち、セルフコントロール(自制力)を育てるようアドバイスした。

 

 ネットいじめには、悪口・画像拡散・個人情報を晒す・無視や外しもいじめに含まれ、悪口も侮辱罪となり、1年以下の懲役若しくは禁固、若しくは30万円以下の罰金が科せられると、6月13日(月)参議院本会議で可決され成立した侮辱罪の法定刑についても説明を受けた。

 

 1年生男子生徒は、「感情が優先されたり、心理現象について興味深かった」と話した。

 

 宮澤校長は、「毎年実施しているが、コロナ禍はオンラインで、3年ぶりの対面で、保護者にも声を掛けた。実際に聞く方が心に残る」と話した。

 

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