映画“わが青春つきるとも” 10/16小樽三番庫で上映会

 権力に抗して声を上げ、わずか24歳で亡くなった伊藤千代子(1905~1929)の生涯を映画にした「わが青春つきるとも」の上映会が、10月16日(日)10:00と13:30の2回、小樽市観光物産プラザ(色内2)三番庫ギャラリーで開催される。

 

 戦争と無権利の偉大・反戦と主権在民を掲げ、闘いに斃れた若き女性の物語で、小樽上映実行委員会(大黒和夫委員長)は、2年前から映画完成のため、全国で製作費用を募っていることに協力し、小樽での上映のため10万円を集め権利を取得。国内3,000ヵ所での上映が決まり、後志管内では、余市町でも上映を予定している。

 

 伊藤千代子は、小林多喜二(1905~1929)とほぼ同年代で、長野県諏訪に生まれ、同高等女学校時代に恩師でアララギ派歌人の土屋文明の薫陶を受けて育った。その後、東京女子大学に進学し、社会科学の勉学を通じて社会変革に目覚めた。

 

 1928(昭和3)年2月20日、初の男子普通選挙が行われ、卒業を断念してまで千代子が学費を差し出し、多喜二も応援していた北海道から立候補の山本懸蔵を北海道へ送り出したと言われている。

 

 同年3月15日の大弾圧により逮捕され、激しい拷問を受けて刑務所へ送られ、最後まで筋を通し権力に抗したが、長い獄中生活のため心身を患い、24歳で生涯を閉じた。

 

 同実行委員会会員の笹島こう子さんは、「昭和の初め、女性は裁縫や家事だけに専念し、自分の意見を持つこともできなかった。女性が目覚めなければならないと変化を望んだ千代子は、治安維持法で弾圧された。若い人にも戦争の恐ろしさを伝えたい」と話した。

 

 同・北田健二事務局長は、「戦争反対が犯罪の時代。過去の物語にしてはいけないし、人間社会にあってはならないこと。非正規雇用で家族も持てないなど、若い人がどう生きてゆくか、ぜひ見てもらいたい」と呼び掛けた。

 

 映画「わが青春つきるとも」10月16日(日)①10:00~12:30、②13:30~16:00
 入場料:一般1,000円、高校生500円、小中学生以下無料(当日券あり)
 小樽市観光物産プラザ(色内2)3番庫ギャラリー・定員90名
 予約:090‐6219‐3659 北田

 

 ◎「劇映画 伊藤千代子の生涯」制作を支援する会HP(外部)