中村善策の系譜③「風景画家 冨澤謙の眼と心」 小樽美術館

 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室では、中村善策の系譜③「風景画家 冨澤謙の眼と心」が、11月5日(土)から2月26日(日)まで開催されている。

 

 同氏は、1934(昭和9)年小樽に生まれ、北海道学芸大学(現北海道教育大学)を卒業後、美術教師となり、野外での写生を大切にしており、生徒を引率した小樽公園で中村善策と出会い交流を深めたという。

 

 生前、同館展示室での企画展を待ち望み、この企画展を喜んでいたが、2022(令和4)年1月9日に87歳で亡くなった。

 

 会場には、港や運河、小樽の四季折々の風景やヨーロッパの風景まで、壮大なスケールで描く45点が、年代をたどるようにバランス良く展示されている。

 

 1962(昭和37)年の「山間の街」から1973(昭和48)年に第35回一水会展で「一水会賞」を受賞した作品、忍路・祝津・塩谷・旭橋など港や運河など小樽らしさ溢れる風景画が並び、年代を重ねるとともに、褐色からすっきりした寒色を主とした風景画に変わり、作風の変化も知ることができる。

 

 中村善策が写生した作品100点以上を自分の足で探って追跡して現場主義を貫き、ダイナミックなスケール感があり、前景・中景・遠景が重要だと、作品には自分の立ち位置が分かる臨場感溢れる描き方も特徴。

 

 小樽運河が埋め立てられてからは運河を描かなくなり、1990年代は1年おきにイタリアへ行くなど、世界遺産を題材にしていた。

 

 星田七重学芸員は、「中村善策記念ホールがある当館にとっては、冨澤先生は大事な人だった。作品の裏付けをとるだけではなく、講演会やバスツアーなどいろいろなイベントを開催してくれた。

 

 講義内容は、学校で教えていた時と同じように楽しくてワクワクするようなものた。小樽に生まれて幸せだったと話し、モチーフに恵まれ、このような作品を生み出すことができ、小樽に生まれていたからこそだと思う。この企画展は、生きていらしたらとても喜ばれたと思う」と話している。

 

 小樽駅前ビル株式会社創業50周年を記念し、11月5日(土)〜2月26日(日)、冨澤先生の教え子無料キャンペーンを実施。教え子だったことを証明できる卒業アルバムなどを持参し、教え子だった人と連れ1名を同美術館入館料を無料にする。

 

 観覧料一般600円、高校生と市内高齢者300円、中学生以下無料。団体割引あり。

 

 3月4日(土)〜4月23日(日)は、「やさしいことばで美術に出会おう」と親子美術館無料キャンペーンを開催。小樽市民で親子を対象に入館無料とし、苗字または住所が同一であることを証明をできるもの。どちらも定員になり次第終了する。

 

 また、関連企画として「冨澤謙が見つめた風景」を、11月7日(月)〜23日(水・祝)10:00〜18:00、サロン・ド・宮井(花園1・宮井額縁店)で開催。小樽の風景の数々、花などの小品を特別価格で販売。収益の一部は、市立小樽美術館協力会に寄附し、美術館の設備・事業の充実に活用する。

 

 2月4日(土)14:00〜15:00市立小樽美術館内で、平間さと子ミュージアムコンサート2023も実施。

 

 ◎中村善策の系譜③「風景画家 冨澤謙の眼と心」(外部)