大井戸百合子展「南のくらしと女たち」 小樽美術館

 市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーで、銅版画家・大井戸百合子氏の「南のくらしと女たち」を、12月7日(水)〜28日(水)で開催している。

 

 2021(令和3)年1月に同じ会場で、「北の市場の女たち」を開催し大変好評だったことから、今回はその続編として、長くモノクロ表現を追い続けてきた反動から、北海道と真逆の赤道直下の国々へスケッチ旅行し、その後、マレーシアに滞在した10年間を「南のくらし」をテーマにした、銅板画をはじめ筆やパステルで描く鮮やかな色彩が特徴の作品60点を展示している。

 

 水上の暮らしを描いた「マングローブの家」や「オーキッドガーデン」、「マラッカ海峡を渡る人」など、その土地で生きる人々の様子を色鮮やかに表現。

 

 1997(平成9)年から月1度のペースで2年6か月間、北海道新聞に「マレーシアの街角」の原画と文章を掲載した。大井戸氏が講師となり、関連事業第1弾の銅版画ワークショップを10日(土)に実施し、6名が参加した。大井戸氏がマレーシアを題材にした小さな原版16枚の中から選び、緑の黒の2色を使いプレス機による版画刷りを体験。その後、絵具を使って色彩した。

 

 参加者は、初めて作る銅版画に興味を示し、展示している作品を手本に、丁寧に仕上げていった。大井戸氏は熱心に説明しながら、「銅板の絵具の入れ方にはコツがあり、加減は口頭では伝えることはできない」と語った。

 

 初めて挑戦した女性は、「ヤシの絵と女性が描かれた絵を選んだ。作品を見て色を付けたい」と話し、他の参加者は「絵具の入れ方が難しい」と、刷り上がった作品を眺めて話した。

 

 関連事業第2弾の宮下航英民謡ミニコンサートは、17日(土)14:00から30分ほどを予定している。「北の市場と女たち」のスライドショーとともに、北海道民謡連盟小樽後志民謡連合会の宮下会長による、日本海に伝わる民謡を鑑賞する。定員30名。

 

 ◎市民ギャラリー企画展〜大井戸百合子展2南のくらしと女たち(外部)

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