小樽美術館 大井戸百合子展“民謡”ミニコンサート

 市立小樽美術館(色内1)で開催中の大井戸百合子展「南と暮らしと女たち」関連事業第2弾として、12月17日(土)14:00から「民謡ミニコンサート」が会場の市民ギャラリーで開かれ、作品のスライドショーとともに民謡を鑑賞した。

 

 1月13日(木)〜23日(日)にも同展「北の市場の女たち」を同館で開催し、同氏が非常勤講師を務める水産高校の同僚だった宮下航英(直之)氏が来館し、得意な民謡を会場で歌えないかと依頼して実現した。

 

 宮下氏は、新潟県北蒲原郡に生まれ、晴れた日には佐渡島が見える環境で育つ。祖父が江差追分の先生だったことから子どもの頃から民謡に親しんでいた。

 

 北海道民謡連盟公認師範・北海道民謡連盟理事・小樽市文化団体協議会常任理事・小樽後志民謡連合会高波会会長・北海浜節全国大会実行委員会会長・江差追分会札幌地区運営協議会顧問を務める。

 

 大井戸氏は、「小樽の美術館1階を、1年間50日占領した特別展が一生のうちにでき感謝している。追分の本場・小樽で民謡を聞きながら、私の絵を眺めることができことをとても楽しみにしていた。芸術活動のひとつとして、また開催できれば」と思いを語った。

 

 宮下氏は、「日本海に纏わる北の市場の女たちをテーマにして歌おうと思う」と話し、アカペラで最初に歌う追分節について歌詞の意味を解説した。

 

 「忍路高島及びもないが せめて歌棄磯谷まで」の一節は、忍路・高島の千国場所を並べ、それまで獲れないても、歌棄・磯谷くらいまでも漁があればいいなと、出稼ぎの漁師や船主さんが思った。さらに、男女の物語を合わせ、北海道に出稼ぎに来ている父や恋人を思い、忍路・高島までついていけないが、せめて歌仏・磯谷までついていきたいとの思いで歌われたという。

 

 道南ナット節、昔見た佐渡島を思い出しながら佐渡おけさ、青森県津軽民謡の津軽あいや節、最後はソーラン節で締めくくった。

 

 大井戸氏が小樽の手宮市場で取材して描いた「北の市場と女たちから、冬の坂道、秋の市場、ガラス越しにみえる人、露店」などの銅版画作品をスライドで流し、民謡との見事なコラボレーションに、観客たちはほっとするひと時を過ごしていた。

 

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