仮称小樽余市風力発電所に関する要望書 迫市長に提出

 12月21日(水)9:00から、小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会(平山秀朋代表)が、「仮称小樽余市風力発電所」建設計画に関する要望書を、市役所(花園2)2階市長応接室で迫市長へ提出。平山代表をはじめ関係者10名が出席し、それぞれの活動や思いを述べた。

 

 同発電所は、2020(令和2)年4月、東京の大手商社双日株式会社が、小樽と余市、毛無山などを含む国有林に、高さ最大200mもの風車27基を建て風力発電所を建設するため、2024(令和6)年に着工し、2029(令和11)年に運転開始する計画。

 

 同守る会は、昨年末から北海道知事・小樽市長・余市町長に対し、今事業の中止を求める7,000筆以上の署名を提出。今年12月2日(金)には、事業者である同社に3,346筆の署名を提出。

 

 事業者は、住民への周知努力・住民の理解を得るための努力を怠っていて、未だ計画を知らない住民も多く、その一方で中止撤回を求める声も大きくなってきている。

 

 年明けには環境アセスメントの準備書が縦覧できることを受け、これが住民の声を届ける最後の機会となり、市長には、準備書に対する市長意見において、これまで以上に厳しい態度を示すよう要望した。

 

 また、新たな風力発電建設計画が進んでいて、9日(金)に小樽市議各会派にも継続審査となっている陳情第28号「北海道小樽余市風力発電所建設に関する要望方について」の採択と、貴重な観光資源でもある小樽の豊かな自然環境を守るための条例制定を要請した。

 

 陳情第28号に関しては、26日(月)の市議会で採択される見込みとなり、これには、事業者がこの計画を進めるにあたり、住民生活に最大限の配慮し環境低減に努めること、事業者に対し、広く周知し住民との開かれた対話・説明の機会を求めること、住民の理解が得られない状況や環境保全、眺望景観上影響が大きいと判断した場合は、事業者にこの計画を進めるべきではないと提言することが書かれている。

 

 鉄道運輸機構小樽支局へのヒアリングでは、北海道新幹線トンネルルートと重なっているのではと話があり、風力発電の具体的な位置が不明ではあるが、土被りが500mあるので問題はないとしながらも、建設位置によっては本坑に通じる斜坑への影響の可能性があり、新幹線トンネル上に風力発電が建設された事例がないため、どんな影響があるかなど、様々な知見が不足している。

 

 国有林に風力発電だけでも不安だが、新幹線トンネルに発電所はもっと不安になる。トンネル建設の方が先に行われていたため、後からの双日が調査するべきとの指摘があった。

 

 また、地質学の専門家3名による小樽余市毛無山周辺の地形と風力発電との関連性についての報告書では、現地調査等の結果から、かなり軟弱で崖崩れ箇所が多く、風力発電の設置には相応しくない地域と断言した。

 

 迫市長は、「新幹線トンネル・生態系・地質問題も大事で、どのような影響を及ぼすのか大変な問題で、慎重に判断したい。今年丸山に登り、200mもの風車が27基建つとは、工事用道路・管理道路も確保し、生態系への影響を懸念している。

 

 温暖化による脱炭素にも取り組まなければならない。ただ反対ではなく、準備書を読み込み、合理的な判断ができるよう体制を整えたい。小樽市都市計画マスタープランを踏まえて考えたい。最終的判断前にまた会いたい」と述べた。

 

 平山代表は、「今年5月に丸山に登った時に、市長は小樽は宝だと言われた。それを守りたい。地元自治体の長も意見が重要。厳しい意見の提出を」と切望した。

 

 風車の会主催・同守る会協力で、市民学習会「小樽に巨大風車はいらない」
 12月25日(日)13:30から2時間程度
 会場:いなきたコミュニティセンター(稲穂5)1号室

 13:30 斉藤武一氏の紙芝居ダイジェスト版と説明

 13:45 巨大風力発電の巻の紙芝居「とらたろう絵日記」

 13:55 土木専門家で北海道科学大学・堀岡氏による特別講演「巨大風車建造の環境への危惧」

 

 ◎小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会(Facebook)

 ◎関連記事