令和4年度小樽市文化特別功労賞1名・文化奨励賞2名を決定

 小樽市文化団体協議会(大道恒雄会長・加盟43団体)は、同会表彰選考委員会で審査の結果、令和4年度小樽文化賞小樽文化特別功労賞に小樽三曲協会・川村治男氏(87)、文化奨励賞に小樽書遊会の池田憲亮氏(38)と中村秀嶺氏(52)を決定し、2月1日(水)11:00から市立小樽美術館(色内1)1階研修室で表彰式を行った。文化貢献賞の該当者はいなかった。

 

 同会は、1987(昭和62)年から小樽市の芸術文化の普及と振興を図るため、芸術・文化の向上に関し、功労が顕著な個人・団体に対して文化貢献賞を、1996(平成8)年から、活動が顕著で今後の活動が特に期待される個人・団体に対して文化奨励賞を贈呈している。

 

 川村氏は、大学卒業後から70年に渡り琴古流の尺八を続け、小樽三曲連盟の会長を歴任、小樽の文化芸術の振興の尽力。1994(平成6)年から在住外国人を対象とした日本文化体験会を市と共催し、1996(平成8)年からは、今後の活躍が期待される人を表彰する文化奨励賞を創設し、同協議会加盟団体が共演する「雪明かりジョイント事業」を始めるなど、会の運営と小樽の文化芸術の振興と発展に多大なる貢献が認められた。

 

 また、1988(昭和63)年から同協議会副会長、1990(平成2)年から2021(令和3)年まで32年間に渡り会長を務め、会の発展と小樽の文化振興に貢献したとして、初めての小樽文化特別功労賞が贈呈された。

 

 文化奨励賞には、小樽書遊会所属の池田氏と中村氏が選ばれた。

 

 池田氏は、幼少から書道に親しみ活動年数21年。2011(平成23)年に帰樽し、湯殿山光明院の僧侶となり、書道研究臥牛社主宰で高校書道や道新文化センター講師として書の普及に努め、雪あかりジョイント事業では、小樽管弦楽団とのパフォーマンスで多くの観客を魅了。今後の活躍が期待できる優秀な若手書道家。

 

 18歳から登竜門毎日書道展へ毎年出展し、2016(平成28)年と2022(令和4)年に毎日賞を受賞し、2023(令和5)年4月から毎日書道展会員となる。

 

 中村氏は、市職員として同協議会事務局員の業務に携わったことから書道の道に。一島澄湖氏の指導を受けながら研鑚に励み、小樽書道市展をはじめ、全道・全国規模の展覧会にも挑戦。

 

 漢字多字数を中心に優秀な作品を出品し、2021(令和3)年と2022(令和4)年の小樽書道市展で市展賞、2022(令和4)年毎日書道展で毎日賞を受賞。市役所書道倶楽部や杜のつどいでも講師を務め、後進の育成や書の普及に尽力。今年から市展委員となる。

 

 主催者を代表して北川稲谷副会長は、「創立から73年を迎え、活動を続けてこられたのは、川村前会長の尽力のおかげ。32年間、分団協の発展と振興に尽力され、特別な賞を贈呈する。

 

 文化奨励賞の池田さんと中村さんは、日頃から積極的に書に取り組む姿勢や日々の努力の結果であり、ますますの活躍を祈る」と挨拶した。

 

 多くの関係者に見守られて受賞した川村前会長は、「長年三曲協会に尽くしたことが、今日の受賞に繋がった」と話し、池田氏は「先日、秀嶺さんと書家二人展を開催した。若手の書家に発表の場を与えてもらい、自分自身の反省の場となり新たな縁もあり感謝している。今後も向上心を持ち続け、後進の育成にも取り組み、小樽の書道をさらに盛り上げたい」と述べた。

 

 中村氏は、「毎日書道展の毎日賞・書道市展の委員を、ひとつの目標としてきたところ、今年から市展委員となり励みとなる。振り返ると、市役所の書道仲間や杜のつどいの皆さんと、楽しいコミュニティに自分が所属させてもらっている。書道を通じてコミュニティの輪を広げていきたい」と抱負を述べた。

 

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