潮見台中OB寺島雅志氏 小樽ゆかりの絵画6点寄贈

小樽市立潮見台中学校(潮見台1・髙橋恒雄校長)の卒業生・寺島雅志氏が、小樽ゆかりの作家・金子誠治氏の5点と千葉七郎氏の1点・合計6点(51万円相当)を同校へ寄贈し、3月8日(水)に贈呈式が行われた。

 

 寄贈された作品は、医師である寺島氏の母親と金子氏の妻が仲良しだった縁で、1985(昭和60)年に朝里整形外科病院を開業した祝いの貴重な1点もので、2010(平成22)年に閉院するまで院内に展示し、多くの患者さんが絵を楽しみ、閉院後は大事にしまっていたという。

 

 大切にしていたものは受け継がなければと母校へ寄贈を決め、1点を除き昨年12月中に学校に届けられた。

 

 髙橋校長は、「開校75年を経た学校で、1947(昭和22)年日本国憲法が施行されてから、平和をキーワードに学校目標を掲げた。学びを伸ばす上に美を追求する学校目標があり、子どもたちは美を鑑賞し美を伸ばしている。

 

 絵を掛ける度に子どもたちが集まり、良い教材を頂いた。学校にある文化物は子どもたちの財産であり、これから先、地域の財産となるような開かれた学校経営に役立て、大事に末永く財産にしたい」と感謝を述べた。

 

 千恵さんは、「いろいろな方々の感情や思いをこの絵は見てきている。子どもたちには未来がある。絵を通じて伝わるものがあれば、一番うれしいことで、主人の母校でもある潮見台中学校との縁を大事に、皆さんのために大事に使ってほしい。

 

 絵はいくつになっても生きていて、語りかけてくれる。その時の子どもたちの感情によって、嬉しい時は楽しい気持ちで、辛い時は慰めてくれるように見てくれている。子どもたちが巣立ち、社会人になった時に少しでも思い出してくれれば」と話した。

 

 1階~2階階段の踊り場に金子氏のナポリの松が描かれた水彩画を、1階生徒玄関には千葉七郎氏の富岡教会が描かれた水彩画を、2階のパソコン室前に金子誠治氏の風景画、2階職員室前には、ミュンヘンビール祭りと描かれた女性の絵の水彩画、2階の配膳室横には金子誠治氏のバラの油彩画、これから届く予定の金子誠治氏の油彩の小樽運河は、1階理科準備室前に展示する予定だ。

 

 絵を見た生徒からは、「知っている景色の絵があって楽しい」、「何もなかった壁に絵があるとすごく明るくなった気がする」など、多くの反響があった。

 

 2月21日(火)と22日(水)に実施された授業参観にも、保護者に絵画の展示を紹介し、鑑賞を楽しんでもらったという。

 

 この他、校舎階段や教室前の廊下などにも、1年生から3年生までの美術や家庭科、書写の授業での作品を展示し、同校に赴任した美術教諭の島常雄氏、野田恭吾氏・河野薫氏・上嶋秀作氏の作品を展示するなど、小樽ゆかりの芸術家の作品がいつでも鑑賞できる環境となっている。

 

 ◎小樽市立潮見台中学校(外部)