井原水産(株) 農林水産祭最高賞“天皇杯”受賞

 小樽市銭函にほしみ工場がある井原水産株式会社(本社・留萌市)は、優れた業績が認められ念願の農林水産祭の最高賞「天皇杯」を受賞。

 

 3月15日(水)10:30から、井原慶児取締役会長と勝田恵介取締役社長・髙田裕子取締役本部長が出席し、市役所(花園2)2階市長応接室で報告会を行った。

 

 国民に農林水産業と食に対する認識を深めてもらおうと、農林水産省と公益財団法人日本農林漁業振興会が共催し、1962(昭和37)年から実施。過去1年間の農林水産祭参加表彰行事において、農林水産大臣賞を受賞した中から、天皇杯、内閣総理大臣賞及び日本農林業漁業振興会会長賞を決定している。2022(令和4)年度第61回農林水産祭では、農林水産大臣賞を受賞した392点の中から選ばれた。

 

 天皇杯は、7つの部門(農産・蚕糸、園芸、畜産、林産、水産、多角化経営、むらづくり)があり、同社は水産部門に選ばれ、井原会長が出席し、3月3日(金)に皇居・宮殿「春秋の間」で天皇陛下と皇后さまと面会。

 

 迫市長は、「おめでとうございます。会社の皆さんの努力の賜物。カズチーを食べた時の衝撃、味も良いけど、アイディア・歯ざわりも良い。地元の高校生に天皇杯を取った商品があることを知ってもらい、人口減対策のため定住に繋げたい。ぜひ企業の説明会など増やし精一杯PRに努めたい」と話した。

 

 井原会長は、「以前からほしかった賞で、若い人にも数の子を知ってもらいたい。数の子は、魚卵の中でもコレステロールを気にせず、善玉を増やす食品と実証された。とても良い場所・銭函に工場を建てた。水産なので向いているし、人手も確保できた」と受賞を喜んだ。

 

 同社は、1954(昭和29)年10月創業の塩数の子生産を主体とする水産加工食品製造会社で、日本の食文化を守り、食を通じて健康に寄与し、気候変動や生物多様性など環境問題、地域社会への貢献に積極的に取り組み、持続可能な食の資源調達を通じて、グローバルに成長を続ける企業を目指している。

 

 1990(平成2)年に塩数の子で、1997(平成9)年に干し数の子で、2021(令和3)年には、燻製の数の子とチーズを使った新感覚のおやつ「カズチー」で、農林水産大臣賞を受賞している。

 

 同大臣賞受賞が条件となり、伝統を新しく革新的な経営を展開するなどの会社の取り組みを含めて、天皇杯の受賞に繋がった。現在、エビチーやホタチー、プレッツェル、ぬるチーとして、カズチーシリーズを展開中。

 

 勝田社長は、「会社としては数の子をメインとして、伝統的な食文化を守り続けながら、この先も継続していきたい。お正月にいただく数の子を、今回のカズチーのように、普段でも気軽に食べられる革新的なアイディア製品にし、これからも新しいことをやっていきたい。

 

 水産から菓子も手がけ、異業種など他社と手を組みながら、会社を伸ばしていきたい。留萌の学校給食に提供したり、数の子教室も開き、食育に力を入れ、海を守るために森を守る投資などにも協力。地元の高校生にも興味を持って来てもらいたい」と話した。

 

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