華麗な演出で誘う! 旧寿原邸で小樽百物語

 北海道コンテンポラリーダンス実行委員会では、小樽市歴史的建造物の旧寿原邸(東雲町8)で、6月3日(土)17:00と19:30の2回に、8組の演者が各階の部屋を巡る回遊型のイベント“小樽百物語”を開催。参加者は異空間で不思議な体験をした。

 

 1912(大正元)年に、水天宮の岡の北側の急な傾斜地に建てた土蔵造瓦葺2階建ての邸宅。石蔵を含め9室の和洋折衷の建物を会場に、小樽百物語を題材に舞踏・ベリーダンス・怪談・琵琶・幽霊画・華道を展開した。

 

 百物語は、100本のロウソクを立てて100話の怖い話をする日本古来の怪談会で、小樽の歴史的建造物を会場に繰り広げ、様々な表現の世界へ誘った。

 

 2階の大広間には、いけばな小原流の奈良智膵師範による作品が展示され、幽餡氏の琵琶の演奏に合わせ、小樽在住の舞踏家・田仲ハル氏による舞踏「耳なし芳一」で幕を開けた。

 

 1階に下り、石蔵では、活弁士のいいむら宏美氏が、「運命の不思議」についての物語を語り、別室では、明夜氏の舞踏と稲垣あけみ氏による実話怪談に耳を傾けた。最後は、再び、大広間で栗本真紀子氏率いる8名がベリーダンスを披露。

 

 トルコやエジプトを中心に踊られている民族舞踊で、煌びやかな衣装を纏った女性が優雅に体を動かして踊り、ゆみうみうまれ氏と田仲氏も交わり、観客は、華やかさの中に不気味さが見え隠れしたパフォーマンスに魅入っていた。

 

 札幌から訪れた男性は、「日本独自の舞踏を、小樽の歴史的建造物のこのロケーションで開催され、さらにベリーダンスも加わり、いつもと違った新しい取り組みで新しい物を生み出し、発見もあり素晴らしかった」と満足していた。

 

 ◎NPO法人小樽民家再生プロジェクト(外部)

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