小樽高島小6年生 民族芸能向井流水法を体験

 小樽市教育委員会が取り組む小樽市民族芸能伝承事業の一環で、小樽市立高島小学校(高島5・篠崎大作校長)では、7月5日(水)10:30から同校プールで、小樽市指定無形文化財向井流水法保存会(大原一会長)6名が講師となり、6年生32名が向井水法を体験した。

 

 市内に伝わる無形・無形民俗文化財の普及及び伝承を目的に、同保存会が拠点としている高島プールがある地域の学校の児童に、総合的な学習の時間を活用して、文化財を学ぶ機会を作っている。

 

 2019(令和元)年末から2022(令和4)年度にかけ、新型コロナウイルス感染症の影響で事業を中止としていたが、今回、同校で再開した。

 

 児童はこれまでの水泳授業の中で、篠崎校長などから扇足(あおりあし)を主とした横泳ぎの指導を受け、5日はさらに泳ぎを完成させた。

 

 向井流水法は、伊勢(三重県)で発祥し、江戸幕府の御船手(水軍)の泳法として確立した日本泳法12流派の一種。小樽には、1895(明治28)年に元会津藩士・大竹作右衛門の移住によって伝えられ、岩本忠次郎や代々の師範に継承されて今日に至る。1991(平成3)年9月に小樽市の無形文化財第5号に指定されている。

 

 同保存会の竹原史子さんらが、基本技の肩指(かたさし)や、応用技の水車(みずぐるま)、水中格闘の場合に相手を振り回すと有利とされた技などを披露した。

 

 それぞれのレベルに合わせて5班に分かれた児童は、口を閉じて鼻からの呼吸の練習・バタ足泳ぎの練習など、会員の手ほどきで泳ぎを学んだ。

 

 参加した児童からは、「すごく美しくて、やってみたいと思った」や「横泳ぎは難しいと思ったが、練習してできるようになり嬉しかった」と感想を述べていた。

 

 5歳から80年間泳いでいる竹原さんは、「皆さんと一緒に泳ぐことができて楽しかった。校長先生の指導で、早く水に慣れて横泳ぎができるようになり、やればできると改めて教えてもらい、素晴らしい機会となった。ぜひ向井流を皆さんに守っていただきたい。救助法にもなる日本の泳法を継承してもらいたい」と話した。

 

 令和5年度向井流水法会の遊法公開が、8月6日(日)10:00から塩谷海岸で実施される予定。

 

 ◎小樽市立高島小学校(外部)

 ◎小樽市指定無形文化財向井流水法(PDF)

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