𠮷川千香子氏特別展関連事業 空想の動物画に挑戦

 市立小樽美術館(色内1・苫名真館長)は、特別展「𠮷川千香子 土と火の遊びー無邪気な(非)器たち」の関連事業として、8月5日(土)10:00から同館研修室で、小学生を対象としたワークショップを開催した。

 

 講師は、𠮷川氏と親交が深いニューヨーク州立大学・長澤伸穂教授が務め、サン・サーンスの「動物の謝肉祭」を聞きながら、空想の動物を描いた約60点もの作品が完成。作品は、𠮷川氏の特別展会場に展示された。

 

 長澤氏は、東京出身で幼少期をオランダで過ごす。高等教育をオランダやドイツで受け、ベルリン芸術大学で博士号を取得後、カリフォルニア・インスティデュート・オブ・アーツで現代美術・美術批評と音楽を学ぶ。北海道では、2012(平成24)年に十勝千年の森から招待を受け作品を制作している。

 

 講義では、「人間の活動による環境破壊や汚染は、数多くの動物の生息地を脅かし、絶滅の原因となっている。さらに、地球温暖化は気候変動を加速させ、季節の変化や生態系のリズムにも影響を与え、繁殖に大きな影響をもらたした。その結果、動物のハイブリット化という現象が起きている」と現状を説明。

 

 東日本大震災後には、家畜の豚と野生のイノシシが家族になった事例を報告。動物の絶滅と温暖化は連鎖しているという。

 

 その問題点を説明された後、参加者は自由な発想で、恐竜と動物や魚と動物など空想の動物を画用紙にクレヨンで何枚も描いていた。

 

 子どもたちの発想は途絶えることなくユニークで、小学1年のともたか君は、ティラノザウルスとアンモナイトでティラノアンモ、サメとクジラでサメクジラなどを描き10作品を発表、「動物を組み合わせるのが面白かった。10枚も描いた」と笑顔で話した。

 

 予想を超える多くの作品が生まれ、長澤氏は、子どもたちののびのびした表情に歓喜し、一枚一枚携帯に撮影して作品を残していた。

 

 特別展「𠮷川千香子 土と火の遊びー無邪気な(非)器たち 秋野コレクションとともに」

 7月29日(土)~9月17日(日)9:30~17:00(最終日16:30)

 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室 要観覧料

 毎週月曜日・8月15日(火)休館

 

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