忍路なまらファームミニトマト 野菜ソムリエサミット金賞受賞

 小樽市忍路で、なまらファーム(忍路2)を営む渡邊充康さんと妻の沙代さんが作るミニトマト「ほおばりっち」が、一般社団法人日本野菜ソムリエ協会主催の野菜ソムリエサミット2023(令和5)年8月度の青果部門で金賞を受賞。

 

 9月28日(木)16:00から、報告を兼ねて市役所(花園2)市長応接室を表敬訪問した。

 

 同協会(東京都・福井栄治代表理事)は、農産物のさらなる価値向上と農業の活性化を目指し、野菜・果物・農産加工品の品評会「野菜ソムリエサミット」を毎月開催。8月度は、ほおばりっちを含む金賞7件と銀賞3件が選ばれた。

 

 渡邊さんは、小樽に移住1年後に新倉屋に勤務。3年で退職して農地を見つけ、2017(平成29)年に農林水産省の青年就農給付金を申請し、市内の農家で研修を始めた。

 

 研修を終えた2019(平成31)年に「本当においしいものをつくり、とどける」をモットーに、妻沙代さんと、10棟のハウスでミニトマト3種類とヘーゼルナッツの栽培に精を出している。

 

 野菜が嫌いだったという渡邊さんは、「美味しいものを絶対に届けたい。100人幸せにしたい」と、ミニトマト800種類のうち50種類以上を食べ試行錯誤した。

 

 数年前に、農家が本気で作ったミニトマト「ほれまる」という品種に出会い感動。これだ!と思った。「地元の人に最高に美味しい物を」をコンセプトに開発された品種だった。

 

 頬張って食べるミニトマトを世に出したいと「ほおばってリッチな味わいを堪能してほしい」という想いから、「ほおばりっち」と名付けた。

 

 ほおばりっちは糖度10〜11で、中玉の35gに近く、魚かすやイカを原料とした有機肥料を使用した土に力をもらい、太陽や風、全て小樽のパワーを詰め込んでいる。

 

 収穫時期は7月〜10月で、種をまくなどの畑の準備は2月末か3月からスタートしている。年間平均12t収穫しているが、今年は酷暑でいつもより少ない9t。そのうち500gがほおばりっち。

 

 直接買い来る人や市内飲食店へ卸し、食べたお客さんからは美味しいと喜ばれている。「美味しい」は人によって様々だが、どれくらい美味しいか判定してもらおうと、権威ある野菜ソムリエサミットに出品し、初応募で金賞に輝いた。

 

 同サミットの審査員から、「とても濃厚。甘みも強いがうま味もすごい。果肉がしっかりしているのにとてもジューシー」と、高い評価を受けた。

 

 渡邊さんは、「本当は受賞できると思わなかった。あきらめずに絶対に出品しようと、沙代さんの協力に感謝している」と述べ、沙代さんは、「沢山の方が美味しいと言ってくださったが、野菜ソムリエ10人の専門家で審査してくれるので、美味しい裏付けがほしくて出品した」と強い思いを語った。

 

 今後は、これから直面する農業の課題への解決に、小樽にもいろいろな支援事業を持ち込み、金賞よりも上の最高金賞の獲得を目指しているという。

 

 今年の酷暑は、農業においても様々な影響を及ぼし、ハウスの中が46℃になったり、7月・8月にミニトマトの花ががくから落ちて実にならず、9月に収穫するものが少なかったり、豪雨でハウスが水没するなどの苦労話や農業の課題に、迫市長も聴き入っていた。

 

 ◎一般社団法人日本野菜ソムリエ協会(外部)

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