雪かきの未来を話し合おう!小樽でスポ雪シンポ

 国際スポーツ雪かき選手権実行委員会(松代弘之代表)とSNOWITHチーム(柏木優虎代表)が主催して、雪かきの未来を語り合うシンポジウムが、10月7日(土)13:30~16:30、小樽市観光物産プラザ(色内3)三番庫ギャラリーで実施され、札幌学院大学まちおこし研究会(瀧沢友那代表)メンバーやOB、高校生・荒谷しげ子手宮連合町会会長・市議会議員・市職員ら22名が参加した。

 

 少子高齢化が進み、雪かきの担い手が不足している地域の課題を打開しようと、同研究会と札幌の高校生で作るSCOOP(スコップ)が共催し、雪かきで困っている高齢者と雪かきの支援ができる若者を繋ぐ、雪かきの新たなマッチングに挑戦

 

 今年4月にビジネスコンテストの株式会社Fast FitnessJapan主催のエニタイムスチューデントミーティング2023に出場する目的で、高校生5名で発足し、地域と心と身体の健康をテーマに、地域性を活かした雪かきに着目しプレゼンテーションし、見事最優秀賞を受賞した。

 

 冒頭、国際スポーツ雪かき選手権実行委員会顧問の中村裕之衆議院議員は、「雪かきをして助け合いのある町、素晴らしい。若い人がこうした意識を持ち、ボランティアとしてみんなでやろうと機運を作ることは大事。暮らしやすい町となり人口減少がとまることを願う」と挨拶。

 

 同大3年の茅根光実行員会理事は、「小樽市の問題を解決できるよう努めたい」と述べた。

 

 第1部は、SCOOPの取り組みと雪かき共生社会について学生発表が行われ、SCOOPと柏木優虎代表(札幌新陽高校3年)は、雪かきを「厄介者」から「バトン」へ変える地域コミュニティ再生計画について発表。

 

 北海道の高齢化に着目しテーマを考え、地域性を活かした雪かきに注目。雪かきは重労働だが毎日必要で、住宅地では手作業で行う方法があり、手作業の雪かきについてのアイディアを考えた。

 

 需要(雪かきをしてほしい人)と供給(雪かきをする人)の格差が拡大していて、健康状態が不十分でも約60%が無理に除雪していることが分かり、さらに高齢者が高齢者の除雪を行う老々除雪の課題も発見。現役世代の雪かき参画に期待したが、実際には忙しくて無理。そこで、SCOOP計画として、若者を主体とした除雪コミュニティの構築を考えた。

 

 SCOOPが若者を集め、地域密着型の企業に協賛を依頼。企業のロゴを掲載したり、若者にクーポン券をもらえる仕組みを作り、よりよい雪かきの未来をみんなで考えましょうと締めくくった。

 次に同研究会所属の中澤慎之介チーム副代表は、雪かき共生社会について発表。

 

 小樽市は雪かきが必要な高齢者が増えているため、近所同士のコミュニティが必要で、若者を主体とした地域コミュニティが必要で、スポ雪は若者が楽しく雪かきを行い、高齢者へ除雪支援し、大学生が主体的に関わり若者と高齢者が交流するとして、2014(平成26)年にスタートした。

 

 スポ雪のビジョンは、地域の若者が高齢者の雪かきの事情を知ることで、自ら雪かきの担い手として行動してくれる若者を増やすこと。

 

 3町会に実施した除雪問題現状調査インタビューも紹介し、これらの問題解決には、地域内で高齢者と若者のマッチングさせる仕組みを作りたいと考えた。

 

 スマホ教室は要支援者にアプローチでき、スポ雪は支援者にアプローチできる。実現に向けて、需要(要支援者)と供給(支援者)の合意点を見出し、マッチングの仲介を行い、最終的にその地域で自動的に除雪を行える仕組みを目指したいと強調した。

 

 第2部は参加者が3班に分かれてワークショップを実施し、意見交換を通じて目指す社会の実現に向けて方法を探った。

 

 柏木さんは、「シンポジウムの代表は初めてで、入試も近いが受験よりも地域の課題を解決して、小樽の人を助けたい思いが強く、課題解決をしようとしているプロセスが受験にも活かせると感じている。

 

 大阪出身で中学3年生で札幌に来て5年目となる。日本全体の高齢化についての解決や、高齢者だけではなく、動けるけど除雪がつらい人もまとめて助けたい」と話した。

 

 ◎まちおこし研究会(外部)

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