令和5年度小樽市文化祭最終章 写真市展・押し花展

 2023(令和5)年度小樽市文化祭も、最終章となる第31回小樽写真展と押し花アート展が、11月5日(日)まで市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーと多目的ギャラリーで開かれている。

 

 小樽写真市展第1部自由の部には28名の33点、第2部ネイチャーの部には20名・70点の応募があり、長年審査員を務める石津聡氏による厳選な審査の結果、第1部自由の部・市長賞に紅露雅之さんの「大バトンリレー」が選ばれ、第2部ネイチャーの部・市展賞に塚野良江さんの「君のために青く光る」が選ばれ、入賞・入選57点を会場に展示している。

 

 指定応募サイズの四つ切またはA4サイズで、それぞれをテーマに撮影に挑み、四季折々のお気に入りの風景や、人物などを撮影した作品がずらりと並んでいる。

 

 3日(金)文化の日の展示会場には石津審査員の姿もあり、「レベルが高く構図の選び方も的確で、入選と上位作品と入れ替わってもおかしくないほど、どの作品も良く、毎年審査を楽しみにしている。

 

 長年審査を続け、出展者の移り変わりも感じている。市長賞の紅露さんの作品は、流し撮りで構図も的確。市展賞の塚野さんの作品は、枯れて種がはじけたオオバユリを写し、構図も上手に捉えバックを活かしている。

 

 撮影のテーマもバラエティに富んでいて、見に来てくれる方にとっても楽しめる」と、今回の公募展について語った。

 

 当番を務めた同市展運営委員会の川原静雄委員長は、「コロナ前までは公開審査を実施し、写真愛好家の勉強会にもなっていた。来年はぜひ再開したい。

 

 新しい応募者が8名いたが、いつもの応募者が出せなくなってきている。市民をはじめ、小樽の写真クラブで活動している人などが応募し、昨年と比べて第1部は30点減、第2部は10点減だった」と話していた。

 

 ◎令和5年度小樽市文化祭第31回小樽写真市展入賞・入選結果(PDF)

 

 隔年ごとに作品展を開催していた谷岡洋子押し花教室の押し花アート展が、昨年度から文化祭で発表を行い、今年度は15名の52点を展示。生花とは別の楽しみ方ができる押し花を使い、見応えのある作品展となっている。

 

 4月入会で初出展した谷千恵子さんは、もともと花が好きで庭の花を押し花にしていた経験もあり、パンジーを使った作品の「春の訪れ」と、綺麗な色を出すのに苦労した最新作「秋の庭」など3点を初出展。「花は庭で楽しみ、摘んで押し花にして楽しみ、作品にして楽しめる。押し花ってこんなにすごいと思わなかった。いろいろな技法を教えてもらえる」と話した。

 

 作品には、花だけではなく草や野菜・果物・プランターを表現したごぼうの皮などが使われ、近藤さんの作品には、使い崖を表現した「オタモイ海岸」に白樺の皮を使って、男性らしくダイナミックに仕上げ、2人の娘の作品と並べて展示している。

 

 物語を制作した押し花歴20年の佐藤敏枝さんは、「みにくいあひるの子」を5点の組作品で発表。全部自宅の庭の花で押し花を制作。あひるの羽はガーベラを使ったという。

 

 押し花は、良く乾燥させることで変色を避けることができ、直射日光や湿度に気を付けて保存しているという。前回は「鶴の恩返し」を制作し、毎年来場者の目を楽しませている。

 

 谷岡氏は、押し花で作ったリースやパプリカで作った「野菜アート」、フルーツを使った「元気になーれ!」など、花以外のものを押し花にして、奥行きにも気を配り魅力的な作品を発表している。

 

 「今年の夏は暑すぎて花が無く、思うように押し花ができなかったため、身近なフルーツや野菜を押して使った。庭の花を使おうと思っていた人は、押し貯めたものや工夫して、想像の世界を楽しんでいる。作品づくりは最後の密封も大事。各々オリジナルを大切にして、作品づくりに取り組み、押し花の愛好家が増えれば」と話した。

 

 押し花講座の受講生を募集中で、1回目生花の押し方・2回目押し上がった花の組み立て・3回目 簡単ミニフレーム制作。講習料無料・材料費3,000円。会場はコープさっぽろみどり店(富岡1)2階文化教室。連絡先:080−1878−6580 谷岡。

 

 ◎小樽市アーティストバンク〜谷岡洋子(外部)

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