小樽花園小で海に関わる仕事や海洋の重要性を学ぶ

 小樽市立花園小学校(花園5・若林晋校長)で、11月21日(火)13:30から、公益社団法人北海道海事広報協会・公益財団法人海事広報協会・北海道内航海運組合主催の海洋キャリア教育授業「海の仕事へパスポート」が行われ、同校5年生・42名が、海に関わる仕事や海洋の重要性を学んだ。

 

 海に関わる団体の国立研究開発法人海洋研究開発機構(ジャムステック)の田代省三アドバイザー、苫小牧栗林運輸株式会社・小林秀昭取締役現業部長、国立小樽海上技術短期大学校・中山信一郎教育主事と前田善弘教務課長が講師を務めた。

 

 神奈川県横須賀市にあり、約900人が勤務のうち約350人の研究者がいる、ジャムスティクでしんかい6500のパイロット経験がある田代アドバイザーが講師となり、海洋研究の仕事について語った。

 

 「日本が自由に開発できる海の面積は、国土の12倍で世界第6位。四方を海に囲まれた日本は、必要な物資のほとんどが船で輸送しているため船は大事。

 

 潜水調査船しんかい6500は3人のパイロットが乗船でき、潜航時間は8時間で、6,500mまで片道2時間半を要し、深海との通信には4秒かかる」など貴重な話を語った。

 

 直径50cmのハッチから中に入る様子を動画で紹介され、同船から観測された深海の生物や、1991(平成3)年に発見された三陸震源域亀裂、2011(平成23)年に確認された水深約5,400mで逆立ちで泳ぐシダアンコウ、深海生物の8割は光っているという珍しい生物ムラサキハゲナマコなど、児童は深海の世界に興味津々だった。

 

 海洋の研究の魅了と重要性については、「陸上では経験できない本物の大自然、地球に残された最後の人類未踏の場所、世界第6位の広大な日本の海、食料、エネルギーのほとんど船による輸入で、四方を海に囲まれた日本、特に北海道に船は必要。環境破壊による生態系が崩壊し、海では陸上での失敗を絶対に繰り返してはならない」と語った。

 

 小林現業部長からは、「みなとは、工場でできた商品をコンテナに詰め、陸上輸送し、海外のコンテナターミナルで船に積まれ海上輸送され、国内のコンテナターミナルに到着し陸上輸送され、コンテナから出して倉庫に収め、陸上輸送し店舗で販売されるしくみ。輸出入の99%が海上輸送で担っている。

 

 そこで、海運への依存が高い北海道の物流では、国際物流がほぼ100%が海運。国内物流では9割超を海運で、海運の約7割がフェリーと内航海運の主力であるRORO船。苫小牧港の取扱貨物量は1億トン超えで全国1位。自動車は9割が苫小牧港から運ばれてきている」と、みなとの役割や苫小牧港での物流について説明があった。

 

 同船にトレーラーが乗り込む様子が動画で紹介され、いかに狭いスペースで行われているかが輸送率を高めるとし、高い運転技術が求められるという。

 

 ガントリークレーンでコンテナを積み込む荷役も紹介され、地上30mにあるガラス張りの運転席から、無線でオペレーターと連絡を取り合い、元旦の休み以外1時間で30数本稼働しているなど貴重な話を聞いた。

 

 中山教育主事は、船が海を知る情報の海図について指導。小樽港が載っている海図から、同校の場所を緯度経度で表す練習問題を出題。

 

 前田課長からはロープワークを学び、素早く結べて丈夫な「もやい結び」をみんなで体験。ロープの扱いが得意な児童や、難しいと何度も練習する児童など、あきらめずに練習し、最後には上手に結ぶことができ笑顔になった。

 

 参加した生徒は、「海の話や深海のことを学び、クイズもあり楽しかった。ロープ結
びは難しかったができるようになり、日常でも役立ちそうで学んで良かった」と話していた。

 

 ◎日本海事広報協会(外部)

 ◎海洋研究開発機構JAMSTEC(外部)

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