長橋中で小樽市立病院医師と看護師によるがん教育

 小樽市立長橋中学校(長橋4・伊藤仁弥校長)では、12月14日(木)14:25から、小樽市立病院(若松1)の医師や看護師が講師となり、がんについて学ぶ「がん教育」を開き、全校生徒296名が聴講した。

 

 がんは2人に1人は罹ると推測される病気で、子どもに対し健康と命の大切さについて学び、自らの健康を管理し、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識をもつよう、児童、生徒もがんについて学び、知識を深める機会として、北海道教育委員会では、がん教育等外部講師連携支援事業を実施している。

 

 がんはどのような病気か・予防は?・がんの早期発見・がん検診・がん患者への理解と共生について、大橋広和腫瘍内科医療部長と大森幸恵氏がん化学療法看護認定看護師が講師を務めた。

 

 大橋医師は、細胞が分裂するすべての臓器にがんができる可能性があると、しくみについて解説。

 

 年をとるごとに細胞分裂の回数が多くなり、細胞が変異する可能性が高くなると高齢化とがんとの関わりを説明。がんの死亡率の推移は、全国で2015(平成27)年~2021(令和3)年)の6年間で13.6%減少していることが分かり、医療の進歩やがん検診の導入も寄与しているという。

 

 がんの原因は、細菌・ウイルス・生活習慣病・遺伝的原因があり、不明なものもある。検診で早期発見すると92.8%の人が治ることが分かり、定期的な検診を受けることの重要性も伝えた。

 

 がんの進行は、がん細胞が1cmになるまで10~20年かかり、その後2cmになるには1~2年で、自覚症状が現れることも。治療法の主なものとして、手術療法・放射線療法・化学療法(抗がん剤などの薬)があり、治療方法を決める時には病気について説明を受け理解してから、医師や家族と相談しながら、患者自身が自分で選ぶ意識が大切。

 

 がんを予防するには、禁煙・節酒・バランスの良い食事・適度な運動・適正体重を維持が大切だと語った。

 

 がんになった人との関わり方について、大森看護師からは、「がんは感染しない病気で、がんになったら体の辛さ・痛み・心の辛さがあり、どんな支援ができるか、その人らしい生活を送れるように、それぞれの専門家(医師・看護師・カウンセラー・ソーシャルワーカー・薬剤師・栄養士・リハビリ専門職)が支える。

 

 がんによる苦痛を和らげる緩和ケアは、患者も家族も受けられ、がん患者を守るには家族の協力が大切。がんを正しく理解することで患者が暮らしやすい社会となる」と語った。

 

 話を聞いた3年生は、「私の中でがんは怖いイメージで、なりたくないと思っていたが、生活習慣を見直し、健康に暮らせるように学習したい」と、感想を述べた。

 

 伊藤校長は、「がんのリスクを減らすために生活は大事だと感じた。がんはみんなで向き合うもの。ひとりでの解決は難しい。今日はいろいろと勉強をさせてもらった。家族には、早めに検診を受けるよう伝えてもらいたい」と話した。

 

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