小樽協会病院助産師が講師 市立西陵中で命の授業

 小樽市立西陵中学校(富岡2・吉岡智尋校長)で、北海道社会事業協会小樽病院の内音坊看護師長・郷野看護副部長と細田助産師が来校し、12月20日(水)5・6時間目の道徳の時間を活用して命の授業が行われ、全校生徒170名が参加した。

 

 夏に中学生が自殺したという悲しい事件を聞き、命を大切にする授業を開きたいと、吉岡校長が要望。助産師が講師の命の授業は初めての開催となった。

 

 細田助産師は、1997(平成9)年に助産師になり26年が経過した。これまでに800人ほどの出産に立ち会い、お母さんと赤ちゃんとの出会いは1万人以上となる。

 

 現在、助産師として取り上げた赤ちゃんが大人になり一緒に働いていて、命の繋がりを感じるという。今日は、女性の身体の仕組み・赤ちゃんが生まれるまで・心に残る赤ちゃんの話について語った。

 

 月経や受精について・10か月間成長を続け出産までのエコーで見た赤ちゃんの様子の仕組みを説明。5人に1人の割合で帝王切開があることに触れた。

 

 お産の流れを人形の模型で説明し、医師や看護師などスタッフ8人がかりで出産に立ち会う帝王切開の出産をビデオ使って見せ、これまで様々なハプニングにも遭遇していると解説。

 

 生まれたばかりの赤ちゃんが警察で保護されていると連絡が入り、誕生日も名前も住所も不明で、しばらく病院で世話を行い、児童相談所と相談して乳児院で過ごすことになったという赤ちゃんの話がされた。

 

 細田助産師は、「助産師の知識は皆さんを通じて学ぶことができた。いろいろな経験を積むことで知識となり、出会いに感謝している。お互い助け合って、日々生きていると感じてほしい」と述べた。

 

 最後に出産シーンの動画を見て、元気に産声を上げた赤ちゃんの生命力を感じ、未来を想像するなど、それぞれに心に残る授業となった。

 

 稲津学習委員長(2年)は、「助産師さんから直接命を大切にする話が聴けると楽しみにしていた。帝王切開の話では、いろいろな人たちに見守られて生まれてくるんだと感じた。

 

 細田さんの話を聞いて、命を大切にすることは自分だけではなく、身近にいる人、知らない人も大切にして生活すること。日々の生活にいかしたい」と感想を述べた。

 

 ◎小樽協会病院(外部)

 ◎小樽市立西陵中学校(外部)