旅するピアノ 旧三井銀行小樽支店でコンサート

 2016(平成28)年に小樽市の有志が始めた旅するピアノ・プロジェクト(佐藤慶一代表)は、3月2日(土)18:00から旧三井銀行小樽支店(色内1)を会場に、旅するピアノ・プロジェクト From Otaru コンサートを開催。約90人が来場し、ピアノの音色と共に13年が経つ東日本大震災を改めて振り返った。

 

 東日本大震災で被災された人に音楽を届けようと、ピアノと共にどんな土地へも赴き、気軽に音楽に触れ楽しんでもらいたいとコンサ—トを開催。

 

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止し、昨年11月に福島と釜石で4年ぶりの7回目の訪問となった。

 

 今回の小樽でのコンサートは、三浦明子氏・関口ゆかり氏・澤田愛理氏のピアノ演奏とMC・畠山典之氏が歌で参加し、2部構成で開催。

 

 佐藤代表は、「ようやく昨年11月に活動を再開でき、コンサートも久しぶりに開催できてうれしい。現在の被災地の風景をお伝えし、より充実した活動を続けていきたい」と挨拶した。

 

 1部は、日本の春夏秋冬を代表する童謡をはじめ、日本の曲に合わせた映像とピアノ演奏と歌を、東北ゆかりの作家の詩の朗読を織り交ぜて演奏。重厚な歴史的建造物に響き渡り、子どもの頃から聞いている馴染み深い音楽に癒やされた。

 

 昨年11月に訪れた福島のこじかこどもの家・カトリック釜石教会・釜石市民ホールTETTO、釜石市の文化祭に招かれた旅の様子や過去の訪問の様子、被災地の今の状況も写真で紹介された。

 

 釜石市は、三陸の雄大な自然に抱かれた美しいまち、東日本大震災で多くの人の命が奪われ、暮らしが一転した。悲しみを2度と繰り繰り返すことが無いよう、未来の命を守るため10のメッセージが伝えられた。

 

 東北地方の被災地にある石碑に書かれた中学2年生の言葉に、「100回逃げて、100回来なくても、101回目も必ず逃げて」とあり、「あなたが率先して逃げれば、多くの人の避難を促し、命を救う事になるでしょう」など、命を守るメッセージが心に響いた。

 

 生きていることの大切さを考える「いのちの歌」のピアノ演奏と歌が流れ、涙する人もいた。

 

 2部は、ドビュッシーの月の光で始まり、松任谷由美の春よ来いやクラシックなどのピアノ演奏を楽しんだ。

 

 おたるレンガ横丁にあるピアノが、ストリートピアノとして市民に親しまれていることが縁で、2016(平成28)年から参加を続けているストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニーも、3月11日(月)14:30から12道府県22会場で同時開催する。

 

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