立正佼成会小樽教会(重村祐司教会長)が管理運営する、旧遠藤又兵衛邸(富岡1・小林伸夫館長)の一般公開が5月18日(日)から始まり、和洋折衷を取り入れた当時の「小樽御殿」を体感できる貴重な機会となっている。
1902(明治35)年に、小樽港を望む高台に、海産物卸商で富を築いた遠藤又兵衛が邸宅(延766㎡)として建てた。木造瓦葺き下見板張りの武家屋敷を思わせる豪壮なつくりで、本州から木材を取り寄せ、釘を使わずに3年もの月日をかけた豪邸は、床の間や座敷と廊下から庭が見渡せる縁側があり、和風を基調としながらも玄関脇の応接間は、大きな三面ベイウインドウを付けた和洋折衷住宅が特徴。
重厚な門や塀には鷹などの飾り瓦が付き、調和のとれた建物で、小樽市指定歴史的建造物第4号に指定され、1995(平成)7年に小樽市都市景観賞を受賞している。
1964(昭和39)年から立正佼成会小樽教会道場として使用されていたが、1984(昭和59)年に小樽教会新築により、旧遠藤邸すべてが取り壊しの対象となったが、同会本部の協力により一部が保存され、現在に至っている。
当時の建物図面などの少ない資料から、小林館長の手作りで再現されたものも展示し、来館者は足を止めて見入っていた。
重村教会長は、「洋と和の姿がものすごく良く、遠藤氏が遺した文化資産だと感じている。建物の老朽化もあり公開は1週間のみ、これを機会にぜひ足を運んでもらいたい」と来館を呼びかけた。
旧遠藤邸(富岡1)の一般公開は、5月18日(日)~25日(日)10:00~15:00で入場無料。問合せ:0134‐23‐7266 立正佼成会小樽教会。
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