5月21日(水)~25日(日)に、小樽在住または小樽ゆかりの作家11名が集う“wave”展が、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開かれている。
1990(平成2)年に小樽市展の若手メンバーが中心となり、お互いに刺激を感じながら制作を続けていこうと結成され、メンバーを少し変えながらも今日まで続けてきた。
今回は、立体・ミクストメディア・インスタレーション・日本画・アクリル画・版画・油彩・金属工芸など、多彩な作家が1人約7mの壁画に作品を展示。11名の個展のような作品展が今年も始まり、日替わりで当番を任された作家から、作品の詳細について聞ける貴重な機会でもある。22日(木)の当番は、江川光博氏と深山秀子氏・岡惠子氏だった。
江川氏は、段ボールや貝殻など身近な場所で広い集めた物を使い立体作品を制作。忘れがちだが大事な中間色のピンクをテーマに、2025(令和7)年新作を発表し、「この展覧会は、出す人も見る人も楽しみにしていて、タイミングが良ければ作家の説明を聞くチャンスがあり、贅沢な時間。気軽に声をかけてくれれば、作品についての説明やいろいろな話が聞ける」と来場を呼びかけた。
深山氏は、木の幹は人々の歴史や履歴みたいだと感じて興味があり、年中見かける幹を自分なりにイメージした3点を発表。「昨年の道展出展作品と、“春はそこまで”は、1月からつい最近までじっくりかけて描いた超新作。他1点は、街の中のプラタナスは秋になると葉が落ちて、幹には何か秘めているげんこつのようなものがいくつもでき、冬をじっと過ごしている様子から描いた作品」と説明した。
日本画家の岡氏は、今までスケッチした同一人物と花を組み合わせた5作品と、菖蒲園のスケッチから、あえて蕾の状態で葉が風に揺れる様子を、色を使わずに岩絵具で水墨デッサンで表現した「風」を出品。日本画ならではの技法と砂状の絵具の美しさが体感できる。来年は、漆に挑戦したいそうだ。
会場はゆったりしたスペースで展示され、来場者もゆっくりと鑑賞でき、仲間と会話を弾ませていた。
waveウエーブ11人展 5月21日(水)~25日(日)10:00~17:00(最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー入場無料
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