小樽市民会館自主事業小樽伝統文化の会第14回和を遊ぶが、6月8日(日)11:00から小樽市民会館(花園5)大ホールで開かれ、着物姿で集い華やかな雰囲気の中、約730名が伝統文化を堪能した。
小樽に息づく伝統文化を後世に伝えたいと立ち上げ、14回目を迎えた今回は、13の演目が用意され、司会は石橋八千代氏、英語の演目解説は外園知代氏が務め、藤間流扇玉会・正派邦楽会雅貴代会・箏華会・日本詩吟学院小樽しりべし岳風会・いけばな小原流小樽支部・小樽後志民謡連合会・茶道裏千家淡交会小樽支部など、伝統文化を継承する団体が一堂に会し、ステージでは、各団体より約150名がそれぞれの演目で大活躍し観客を楽しませた。
1階ロビーでは、裏千家同支部が野点風の茶席を設け、おたる政寿司特製弁当や、新倉屋の花園団子と季節の和菓子、駅なかマートタルシェの美味しい地元特産品、田中繊維本店の着物・帯・和装小物などを販売し、来館者は買物も楽しんだ。
小原流同支部の花展「花の輪 人の輪 みんなの輪」が、前日7日(土)から5年ぶりに開かれ、会員32点のいけばな作品がずらりと展示され、ステージ開始前には大勢の観客が花展を鑑賞した。
江戸時代の琳派絵師たちが描いた絵画的世界を花で表現する琳派調いけばなを会員7名が合同で制作。緒方光琳のカキツバタ図を意識し、木の枝で川の流れを表現した作品は注目を集めた。
太田豊愛同支部長は、「小原流130周年を迎えたお祝いの気持ちも込めて、日頃の研鑚の成果を発揮した力作ばかり。来場者の目を楽しませていた」と話した。
ステージでは、正派邦楽会雅貴代会による箏曲「飛躍」、「神仙調舞曲」、「浪花絵話」、藤間流扇玉会出演の舞踊と箏曲「令和薫風」は、新年号「令和」を記念して公益社団法人日本舞踊協会東京支部が製作した楽曲「令和薫風」で、扇玉氏が振付し今イベントで披露された。
同岳風会の構成吟「母を憶う」、独吟「早に白帝城を発す」、「長安春望」・男性合吟「中庸」・女性合吟「暁に発す」を独特の節回しで吟詠し、詩吟の世界に誘った。
小樽花園繁華街5店のママさんと歌う吟者を募集し、ステージいっぱいに約60人が着物姿で登壇。「名鎗日本號」を吟詠し観客を圧倒した。
毎回話題の小樽の選ばれし殿方に、新たに北海道新聞・荒山和明小樽支社長が加わり、日本舞踊「長唄 新ひとつとや」を踊り、観客から拍手が沸き起こった。
同連合会かもめ会が民謡を披露。北海道民謡連盟の宮下航英副会長による北海いやさか節や、大会で最優秀賞などの好成績受賞者らが自慢の喉を披露した。
一番の見どころ、北海道新聞朝刊「朝の食卓」に掲載された小樽港叙景(2021年6月3日)を舞台化し、箏曲・詩吟・日本舞踊・俳句が共演した企画作品「小樽港叙景」に32名が出演。藤間扇久華氏が作詞、箏華会・平川萩寿恒会主が作曲して歌い、振付・演出は扇玉氏が担当した。舞台は小樽港に早変わりし、観客は港の情景に吸い込まれ、拍手喝采で幕を閉じた。
全プログラム終了後、出演者全員が登壇し、扇玉氏は「私たち一同は、これからも伝統文化を学び・守り、後世に伝えていくべく精進して参ります」と述べ、三本締めで締めくくった。
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