小樽こぎんの会(坂上安樹子代表)の第17回目となる作品展が、6月7日(土)・8日(日)に、会員13名の約100点を展示して小樽駅前ギャラリー(稲穂2第1ビル1階)で開かれ、青森の伝統工芸・こぎん刺しの魅力を作品を通じて伝えていた。
毎月第3水曜日の午前、髙橋真理子氏を講師に、生涯学習プラザレピオで勉強会を実施。楽しく和気あいあいとした雰囲気の中、情報交換をすることで作品のアイディアが浮かび、お互いに技術を磨いている。
こぎん刺しは、明治頃、青森県津軽地方の貧しい農民が厳しい冬に備え麻を刈って機を織り、麻の隙間を木綿糸で埋めたのが始まりで、同地方に伝わる刺し子技法のひとつ。野良着のことをこぎん(小布・小巾)と呼び、保温と補強のために刺し子し、この名がついたと言われ、伝統工芸品として博物館にも大切に展示されている。
会場には、テーブルセンターやベッドカバー、バッグ、手編みのセーターの胸の模様を毛糸で施したり、籐のバッグにこぎん刺しを付け加えた作品に、来場者は立ち止まって見入っていた。
坂上代表の新作は、好きな図案をいくつも入れた額縁。今年1月から5月いっぱいまで制作が行われ、完成出来立てのもの。高校の授業でこぎん刺しを知り、会に入会して20年、様々な作品を発表してきたが、これからは原点に戻り、紺地に生成りの糸で作品づくりを楽しんでいるという。
本で図案を見るのと実際に手にとって見るのとは違うと気づき、これからこぎん刺しを始める人や興味のある人のために図案集も4冊完成させ、こぎん刺しの普及にも貢献している。
髙橋氏は、「会が参加することで、少しでも目標になり作品展のために完成させようと励みになる。新しい物を追うのではなく、時間が経つとしっとり落ち着ついた味わいが出てくるのが特徴でもあり、そんな所を見てほしい」と話していた。
髙橋氏と坂上代表は、自分で刺した帯を身に付けて、会場は華やかな雰囲気に包まれ、来場者の質問に対応していた。
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