小樽オタモイにある地蔵尊で例大祭

 オタモイ地蔵尊奉賛会(村上テル子代表)が、2025(令和7)年度オタモイ地蔵尊例大祭を、6月21日(土)13:00から小樽市のオタモイ海岸駐車場(オタモイ4)で行い、妙龍寺僧侶ととともに、村上代表をはじめ関係者ら約60名が参拝した。

 江戸時代末期から現代に至るまで篤く信仰され、約3,000体のお地蔵さんを祀ったオタモイ地蔵尊は、北前船で小樽にやってきた人の遭難犠牲者供養として建立され、明治期以降は子宝地蔵として道内外から多数の参拝者が訪れるようになった。

 

 明治時代以降、代々、村上家が堂守を受け継いできた。2006(平成18)年4月に発生した土砂崩れにより、オタモイ海岸の駐車場からオタモイ地蔵尊へ向かう遊歩道(約500m)に通行止めが続き、地蔵堂の参拝が困難となっていた。

 

 さらに、オタモイ地蔵尊の最後の堂守・村上洋一氏が2023(令和5)年に亡くなり、今後の維持管理をはじめ、地蔵尊の存続が課題となっている。

 

 細い急カーブが続くオタモイ海岸駐車場までの悪路を、自家用車やタクシーでやっと到着した人々は、静かに手を合わせていた。

 例大祭終了後は、塩谷サービスセンター集会室(塩谷1)に場所を移し、オタモイ海岸とその周辺の地質と題して、小樽商科大学非常勤講師の松田義章氏が、オタモイ地蔵の現状と課題について、小樽商科大学客員研究員高野宏康氏が講演し情報交換会が開かれた。

 

 オタモイ地蔵尊奉賛会では、江戸時代末期から続いてきた、オタモイ地蔵尊の信仰の歴史や文化を地域遺産として伝えるため寄附の支援を募っている。問合せは、オタモイ地蔵尊奉賛会事務局・高野(090‐5423‐7658)へ。

 

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