小樽美術館で渋谷昭子さん“籐工芸45年のあゆみ”展

 小樽在住の籐工芸家・渋谷昭子さんの「籐工芸45年のあゆみ展」が、6月25日(水)から市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで始まった。

 

 籐工芸がブームとなった1979(昭和54)年に、籠を編むことを習ったのがきっかけで資格を取り、籐工芸家の道を進んだ。これまで作り貯めた約200点を一堂に展示し、45年間の活動の集大成を披露。

 

 人に教えるのが好きで、PTAの婦人学級や町内会、望洋ふれあいセンター教室・札幌清田教室・小樽四ツ葉学園・小樽視覚障がい者福祉協会婦人部・道新文化センターなど、すべての人に作品づくりを楽しんでもらいたいと指導に努め、大切な出会いも得た。

 

 5年毎に教室展を開催し、女性講師が集まる小樽技芸講師研究会、かごの素材や編技法を独創的に展開した造形作品の展覧会を開催する日本バスケタリー作家協会にも所属していた。

 会場には、籐や竹を使ったバッグをはじめ、十二支を編んだ小物からオブジェなどの大きな作品まで、これまで新たな発見や習得した技術を使ったオリジナル作品が並ぶ。

 

 根曲がり竹(姫竹)を採取して自分で処理し、花結びの編み方を施した神秘的な曲線のオブジェや、アイヌの伝統衣装を籐で表現した壁飾りなど、しなやかな風合いが感じられる。

 

 指導先の3教室の生徒が籐で作った花を花束にし、3つの籠に入れて会場に展示している。

 

 この展覧会に合わせて制作した竹細工の涼し気な幾何学模様のオブジェは初公開となり、来場者の目を楽しませている。

 

 渋谷さんは、「生徒さんに恵まれ、みんなの協力があってここまで続けられたことは幸せなこと。この経験は宝物でもあり、これまでの活動の集大成として、感謝の意を込めて開催した。沢山の人に自分の作品を見てもらい、籐の素晴らしさ・奥深さを知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。

 

 籐工芸45年のあゆみ展

 6月25日(水)~29日(日)10:00~17:00(最終日16:00)

 市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリー 入場無料

 

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