北海道の心臓と呼ばれたまち・小樽~民の力で創られ蘇った北の商都が、2025(令和7)年2月小樽市単独の日本遺産に認定を受け、小樽の原風景である北運河地区をめぐり、構成文化財のひとつひとつを見て歩く散策ガイドツアーを企画。
小樽観光の本質を捉えた人材育成を目指す小樽観光大学校(迫俊哉大学校長)主催で、6月28日(土)に小樽国際インフォメーションセンター(港町5)前から、おたる案内人の有資格者9名がガイド役を務め、5班に分かれてスタート。
構成文化財26の中から、民の力によって生まれ変わった観光資源の小樽運河周辺や、小樽の近代化の第一段階として営業用倉庫で使用された旧大家倉庫・旧小樽倉庫・旧渋沢倉庫など北浜地区倉庫群、運河のシンボル的な建物の北海製罐倉庫・工場・旧北海製罐第3号倉庫を巡り、運河の埋め立て前後の境目の石垣にかつての道路の痕跡を確認した。
北運河地区の北海製罐に通じる北浜橋に馬蹄が埋め込まれいることや、向い側に建ち並ぶ渋沢倉庫の渋沢栄一氏についてのエピソードも紹介。
1880(明治13)年11月、手宮から札幌を結ぶ北海道で最初の鉄道として開通し、北海道開拓に重要な役割を担い、1985(昭和60)年廃線後に、散策路として整備された旧手宮線散策路を歩いた。
運河公園では、小樽運河を守る会・峯山冨美会長の石碑、北防波堤を建設した広井勇やその後継者で南防波堤建設の伊藤長右衛門の銅像前で功績を振り返り、明治から大正期に木骨石造の倉庫が軒を連ねていた様子を、旧日本石油(株)倉庫に入り実際に見て触れて確認。内部の柱や梁の骨組がには釘を使わず、道産の木や石を使用し、火災にも強いことなどの特徴を知った。
4月25日に修復工事を終えた、最終地点の国指定重要文化財・旧日本郵船株式会社小樽支店では、小樽市総合博物館・石川直章館長の解説を聞きながら館内見学し、2時間ほどのガイドツアーを堪能した。
積丹町企画課・佐藤佳奈さんは、「小樽の歴史を大人になってからは違う視点で楽しめ、観光ガイドさんはどんな案内をするのかと参加した。昔の写真を見ながら、いろいろな話を聞くことができた。案内人にもチャレンジしたい」と話していた。
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