小樽出身の音楽評論家・長谷川博一氏(1961‐2019)の七回忌に合わせ、同氏の仕事を振り返る回顧展が、7月8日(火)~14日(月)11:00~19:00に、親交があった平山秀朋氏が委員長を務める裏小樽モンパルナスプロジェクト委員会が主催し、裏小樽モンパルナス(稲穂4)で開催される。
長谷川氏は1961(昭和36)年に小樽生まれ、小樽潮陵高校・青山学院大学を卒業し、出版社を経て、1990(平成2)年にフリーの音楽評論家・編集者で活躍。がんのため58歳で亡くなった。
回顧展では、長谷川夫人が所有している同氏の音楽やプロレスに関する著書(絶版)、平山氏が苦労して手に入れた著書、子どもの頃からの写真や愛蔵品の本・レコード・ギターも展示。親交のあったアーティストからのコメント、オリジナル楽曲・生前残したデモテープの音源を公開。
ディレクターとして制作したWORLD STANDARDの音源視聴などや、資料を手に取って見ることもできる。
平山氏が東京のレコード会社で働いていた1995(平成7)年、印象に残るインタビューをするライターの長谷川氏と仕事を通じて知り合い、2008(平成20)年に小樽出身であることを知り、小樽に帰省する度に酒を酌み交わす仲となった。
2015(平成27)年に市立小樽美術館で小樽運河の絵画展で、藤森茂男氏の赤い運河も展示され、その関連で中央市場でも藤森氏に係る展示を担当。長谷川氏との会話で、藤森氏が叔父であることが分かり衝撃を受けた。
長谷川氏の東京での仕事ぶりを振り返ると、小樽で叔父の背中を見て育ち、人格形成に叔父の影響があったと理解したという。
東京と小樽での長谷川氏を知る平山氏は、七回忌のタイミングで、小樽の人に長谷川氏の仕事を紹介する役目を果たしたいと長谷川夫人に相談し、2023(令和5)年末から準備を進めてきた。
長谷川氏は小樽が大好きで、ふるさとで開催したいと生前から構想していた、日本でいちばん小さなフェス「LittleOtaru~昨日がある町 小樽へ帰ろう」を実現させ、長谷川氏の近しい友人がゲスト出演を快諾。
長谷川氏の思いも受け継ぐトーク&ライブイベントを、12日(土)に開催する。トークイベントは、叔母の藤間扇玉氏と、深い親交のあったアーティストの鈴木惣一朗氏の2人で、ライブは山口洋氏が出演する。
また、小樽の季刊誌「OTARU Ture Dure 6月号」と連動させ、長谷川氏と同級生だった澤田千香子氏代表と、他の同級生との声を集めた特集「音楽と、潮陵と、長谷川君」を掲載中だ。
平山氏は、「音楽を言葉で表現することは難しいが、ある分野を切り開いたというか、長谷川さんの言葉をできるだけ展示したい。長谷川さんが遺したアーティストにまつわる言葉であったり、付き合いがあったアーティストの追悼コメントもあり、音楽と言葉を展示の中で大事にした。これをきっかけに、長谷川さんの著書を読んでくれると嬉しい。音楽に興味のある方は、ぜひ来てもらいたい」と来場を呼びかけている。
回顧展は無料だが、フェスは1日券5,000円・学割1日券2,000円、トークは1,500円、ライブは4,000円。問合せ:0134‐34-2705 ジーンズショップロッキ、メール予約。
回顧展開催に際して協賛・寄附を募集中で、振込先は、裏小樽モンパルナスプロジェクト委員会(北海道信用金庫小樽支店・普通9046463)へ。
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