小樽美術館でガラス作家・淺原千代治展

 市立小樽美術館(色内1・苫名真館長)企画展示室で、7月5日(土)に特別展「淺原千代治展」が開幕した。

 大阪時代の初期作品1977(昭和52)年制作のファンタジーから、小樽に移住後の1980(昭和55)年代のガラスの流動性と小樽の風土を感じさせるのびやかなオブジェ、同年半ばから始めた日本の伝統的な美意識を込めた「源氏物語」シリーズと合わせ44点を展示している。

 10:00からは1階研修室で、アーティストトーク「吹きガラスの世界」が開催され、約60名の聴衆が集まり、苫名館長が進行役を務め、ガラス屋に生れた同氏の生い立ちや印象深い職人の名言、作家活動や出品作品について語られた。

 

 同氏は、大阪のガラス製作会社経営者の長男として生まれ、子どもの頃からガラスづくりを肌で感じて育ち、大阪芸術大学を卒業後、実家で吹きガラス職人として働く傍ら作家活動を行い、数々の賞を受賞。1960(昭和35)年代アメリカで広まったスタジオグラス運動の日本での先駆け的人物となる。

 学生の頃スキーなどで何度も訪れた憧れの北海道でガラスが作れたらと、北一ガラスの淺原健蔵氏の勧めもあり、1979(昭和54)年に小樽へ移住。

 

 緑町にザ・グラス・スタジオ イン オタルを開業し、工場で製作過程を見せて販売も行い、一般の人へ教室も開いた。1986(昭和61)年3月の天狗山に、いろいろな角度から製作する姿が見られる構造にしたスタジオを開業した。

 

 淺原千代治展 7月5日(土)~9月15日(月・祝)9:30~17:00

 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室 要入館料

 

 ◎ザ・グラス・スタジオ イン オタル(外部)

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