9/20旧岡崎家能舞台で舞踊と和楽器の協演

 小樽市公会堂(花園5)の修復が完了し、館内にある旧岡崎家能舞台(花園5)を会場に、吉松派若柳流旭甫会・優の会・旭輝会・旭雅会主催の2025第三回「和の幻想と現代を万代に語りつがへと」が、9月20日(土)に二部構成で開催される。お囃子と箏の演奏を盛り込んだ日本舞踊23の演目で20名が出演する見応えのある催しとなっている。

 2年前に1回目を開催し、屋外の能舞台とあって舞踊と音楽が一体となり好評だったが、昨年は同会場の修復工事のため閉館で断念し、札幌市内で2回目を開催、今回再び同舞台での開催となった。

 

 

 同舞台は、荒物雑穀商の岡崎謙氏が自宅中庭に建設したもので、1926(大正15)年に竣工。2017(平成29)年に小樽市に寄贈され、1961(昭和36)年に公会堂の移設に伴い現在の場所に移され、小樽市指定歴史的建造物第12号に指定されている。

 

 同会は、1962(昭和37)年若柳吉章郎が初代旭甫となり吉松派若柳流を設立。初代愛弟子の宗家光玉が、1997(平成9)年に三代目旭甫を襲名し、札幌市に本部を移した。2005(平成17)年、現・宗家福凰が四代目となり、2022(令和4)年に若柳弌興が五代目若柳旭甫を継承。親子孫三代に渡り北海道の地に日本舞踊を通じ、伝統文化・地域文化・礼儀作法・所作など、日本の古き良きこと・継承すべき習慣を若手に伝える活動に努めている。

 8月12日(火)9:00からリハーサルのため会場に訪れた五代目若柳旭甫氏に見どころについて尋ねると、「1部と2部の最初に、城乃会14名によるお囃子の生演奏“三番叟組曲”を披露し、オープニングから迫力ある演奏を堪能でき、演目の最後には自身が踊る猩々(しょうじょう)で締めくり、見どころ満載となっている」と話した。

 

 札幌芸術賞受賞の堅田喜千城氏が指導にあたる城乃会は、邦楽・邦舞の世界を支える囃子方として精力的な活動を行い、伝統音楽の普及・発展に寄与し、多くの弟子・名取の育成など後進の育成にも尽力。北海道神宮祭をはじめ、各神社祭礼への奉納芸能や演奏活動を行い、地域文化の発展・伝統芸能の普及にも力を注いでいる。

 

 2部の後半には、藤の会による箏曲「黒髪」と「六段」の演奏があり、60年以上前に米田不二子氏が札幌市で創設した会で、「春の海」を作曲した宮城道雄氏を始祖とする生田流の箏と三味線教室で、数々の演奏会に参加している。

 

 日本舞踊は、苫小牧在住の80~90代の弟子たちがパワフルに踊り、札幌市在住の小中高生、潮まつりに参加し小樽に縁がある人、旭輝氏をはじめ、同氏に教わる生徒5名も出演。生徒の1人・大橋凛さん(中1)は、平家物語の名場面「扇の的」を踊り、日々稽古を重ねているところだ。

 

 

 演目最後の「猩々」は、能や狂言などの芸能や和歌・物語などにも登場する伝説上の生き物で、特徴のある鮮やかな赤い毛や豪華な衣装を纏い会場を華やかにし、後半にはお囃子の生演奏も盛り込まれている。

 

 五代目若柳旭甫氏は、「野外の能舞台は舞踊と音楽が一体となり、それぞれの魅力が引き立つ。1回目から見ている方には、子どもたちの成長を感じ、楽しみながら応援していただきたい」と来場を呼びかけている。

 

 チケット販売:小樽市民会館(0134‐25‐8800・8/31まで)

 前売大人2,500円・中学生まで1,000円、当日大人3,500円・中学生まで1,500円

 アーカイブチケット(動画配信)3,000円

 2025第3回和の幻想と現代を 万代に語りつがへと

 9月20日(土)開場13:00、開演13:30(1部13:30・2部16:30)

 会場:旧岡崎家能舞台(花園5)

 

 ◎吉松派若柳流旭甫会(外部)

 ◎関連記事