終戦記念日の8月15日(金)11:55から、小樽市民センター(色内2)マリンホールで、迫俊哉市長をはじめ、遺族・来賓・町内会長・一般市民ら91名が出席して、2025(令和7)年度小樽市戦没者追悼式が行われた。
国歌斉唱後、正午に黙とうを捧げ、失われた多くの尊い御霊に追悼の意を表し、平和への誓いを新たにするため参列者全員が白菊の花を献花。稲翠流詩吟旭玲会・家元稲垣旭玲さんが追悼詩吟を吟じた。
迫市長は、「世界に目を向けると依然として各地で紛争が絶えず、今もなお多くの尊い命が失われている。今日、我が国が享受している平和と繁栄は戦没者の方々の尊い犠牲の上に築かれていることを、私たちは今一度思い起こし、先人達への敬意、感謝の念を決して忘れてはならない。
そして、戦争による困難な歴史をしっかりと後世へ語り伝えていくことを誓い、私たちの子孫が二度と戦火に巻き込まれず、我が国に恒久の平和が続くよう願ってやまない」と式辞を述べた。
鈴木喜明市議会議長は、「今日の我が国の平和と繁栄は、戦争で命を落とされた多くの方々の尊い犠牲と国民の弛まぬ努力の上に成り立っていることを、世界の国々や地域の友好関係が戦後の日本の安定を支えていることを決して忘れてはならない。戦争の悲惨さと平和の大切さを後世に語り継ぐことが、私たちに課せられた責務」と追悼の辞を述べた。
遺族を代表し、小樽市戦没者連合遺族会の横川千絵さんは、「叔父は16歳の若さで戦死した。勉強が好きだったが、学校へ進まず自ら出征した。早く戦争が終わっていたら死ななくて済んだかもしれない。小樽市では、戦争で亡くなった方が3千人以上もいて、その数の何倍もの肉親や友人が悲しく辛い思いをしたのかと思うとやりきれない気持ちでいっぱい。私たちは命の尊さを無駄にしないよう、日本の平和はもちろん、世界の恒久平和を訴えていきたい」と追悼の言葉を述べた。
小樽市戦没者連合遺族会の寅尾孝昭会長は、「戦後80年を迎え、戦争を肌で感じる世代も少なくなり、同会としては、戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代に伝え続けられるよう尽力してまいりたい」と閉式の挨拶を述べた。
遺族の矢嶋さんは家族4人で出席。今日の追悼式に合わせ、東京と札幌から娘も帰省し亡き祖父を偲び、「平和の重みを感じる。戦争に行った多くの人の犠牲があって、今の平和が成り立っている。感謝の気持ちでいっぱい」と話した。
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