小樽在住の外沢照章氏の17回目の能面展が、9月10日(水)から小樽公会堂(花園5)地下展示場で始まった。同氏が慣れ親しんだ場所での開催は2年ぶりとなった。
能面の制作をこつこつと続け、今回は、昨年完成させ初展示となった宝生流の名場面「浮木般若(うききはんにゃ)」と「雷(いかずち)」の2点、今年の新作「真蛇(しんじゃ)」、「泥眼(でいがん)」、「霊女(りょうのおんな)」の3点の新作5点を含めた51点を展示している。真蛇は鬼女というより、激情のあまり女人が蛇体と化したもので、道成寺の替え面として使用されている。
特別コーナーでは、「生成→般若→蛇→真蛇」に分けて9点の作品を展示し、見どころとなる女性の怒り・悲しみ・豊かな表情の面が並んでいる。
この他40点ほどの木地仕上げ品(モデル面)、展示ケースに展示しきれなかった狂言面6点など、違った角度から鑑賞できる計らいも。
能の大曲のひとつ「道成寺」や「葵の上」を上映し、物語と面をリンクさせて鑑賞できる。
今年4~6月にかけて、市立小樽美術館主催の「能舞台の華」展に能面26点を展示し、能面―松野爽風・松野秀世と能面―外沢照章の世界を紹介した。
早速、初日から能面ファンが来場し、展示中の能面の解説や制作エピソードを聞いたり、能面(モデル面)を掛ける体験など、貴重な時間を過ごしていた。
外沢氏は、「今回は展示数を51点に増やし、特別コーナーの生成から真蛇まで、女性の怒り・悲しみ・豊かな表情の面を展示。角の形や口の開き方の変化する様子をぜひご覧いただきたい」と来場を呼びかけた。
第17回外沢照章能面展 9月10日(水)~16日(月)9:30~17:00
小樽市公会堂(花園5)地下展示場 入場無料
外沢氏の会場待機時間10:00~12:00・14:00~17:00
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