旧岡崎家能舞台で”和の幻想と現代を万代に〜”

 9月20日(土)、小樽市公会堂(花園5)内の旧岡崎家能舞台を会場に、日本舞踊吉松派若柳流旭甫会(5代目若柳旭甫家元)の2025第3回“和の幻想を現代を万代に語りつがへと“が、囃子と箏の演奏を盛り込んだ22演目を2部構成で開催。来場者約90名が日本舞踊の華やかさを堪能した。

 オープニングは城乃会14名が「三番叟組曲」を生演奏。能舞台にずらりと並んで息のあった迫力のある演奏を披露し、観客を日本舞踊の世界へいざなった。

 

 正月初会など祝い事に演じる能楽演目「長唄 松の三番叟」を、5名で華やかに踊り、10歳の小辻理桜さんが、江戸で子守として働く娘の「清元 子守」を踊り、3度の衣装替えも舞台上で素早くこなし、故郷を思いながら娘の心情が描かれた演目が踊りによく表現され、堂々と踊る姿に拍手が沸き起こった。

 

 優の会(若柳旭優会主)と、小樽で子ども教室を開き伝統文化の普及発展に努めている旭輝会(若柳旭輝会主)も出演し、日頃の練習の成果を発揮し公演会を盛り上げた。

 2部の後半には、藤の会の箏曲「黒髪」と「六段」の演奏、トリは5代目若柳旭甫も出演して「義太夫 猩々」を披露。特徴のある鮮やかな赤い毛や豪華な衣装が会場を華やかにし、後半にはお囃子の生演奏も盛り込まれ、趣向を凝らした演目に観客を喜ばせた。

 孫と来場した名取の祖母は、「とても素敵だった。懐かしい曲もあり、素晴らしかった。10歳の少女が踊る子守は、雰囲気もあり大物になりそう。とても感動した」と満足していた。

 

 ◎吉松派若柳流旭甫会(外部)

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