シューマンの世界観に浸る 中川和子コンサート

 小樽在住のピアニスト・中川和子ファンクラブ「ハンマークラヴィア」コンサートVOL.39 が、11月9日(日)14:00から小樽市民センター(色内2)マリンホールで開かれファンら200名が来場した。

 中川氏の演奏に感銘し人柄にも魅了された金丸智子さんが、1990(平成2)年に同クラブを発足し35年。現在に至るまで活動を支えた金丸さんは、「作曲家たちが語り伝えたいストーリーを、私たちのそれぞれの感性へ誘ってくれるのが中川氏の演奏で、これが同氏のファンクラブの源泉だと思う」と話した。

 

 今回は、シューマンの1人とみんなの2つの顔にスポットをあてたが、同氏が入院するハプニングに見舞われて共演者の市川映子氏の協力により、独奏「ピアノソナタ作品11嬰へ短調」を、「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番イ短調作品105」に変更して演奏された。

 

 真っ赤な衣装で登場した中川氏のピアノと、市川氏が奏でるヴァイオリンとの掛け合いなどの心躍る演奏に、聴衆は時間を忘れて聴き入った。

 

 2曲目は、中川氏と市川氏に、さらに飯村真理氏のヴァイオリン・青木晃一氏のヴィオラ・猿渡輔氏のチェロが加わり、シューマンの「ピアノ五重奏曲変ホ長調作品44」を演奏。第4楽章に分かれそれぞれに特徴があり、力強い演奏でフィナーレを迎えた。

 休憩をはさみ、2曲で1時間ほどの演奏を楽しんだ。

 

 小学5年でピアノ歴6年の市内在住・さやさんは、ピアノの先生の先生が中川氏で、興部に住んでいた頃に中川氏に出会い指導を受けた。今日の演奏を「すごかった。上手だった」と話し、発表会前になると中川氏の指導を今でも受けてるという。

 

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