防災運動会で地域防災訓練学ぶ! 小樽市立望洋台中

 12月6日(土)に小樽市立望洋台中学校(望洋台3・浦嵜昌明校長)で、地域住民と生徒が協力し防災意識の実践力を高めるための合同訓練が実施された。

 同校生徒137名・教員17名・望洋台地区学校運営協議会(コミュニティスクール)や保護者12名・小樽市教育委員会1名・市災害対策室2名・地域包括センター1名が参加。

 

 10:20に同協議会や保護者らが体育館玄関に集まり、避難所についての説明を受け、同校に保管されているクラッカー・アルファ化米などの食糧と、ヘルメット・ラジオ・簡易トイレ・毛布・ストーブなどを確認し、生徒が集まる体育館に移動した。

 

 道路寸断を想定し徒歩で登校した浦嵜校長は、「地域防災訓練の意味を考えて、自分の身を守る・周りの人を助ける。学校を知っているのは君たちなので、学校で避難所を開設する時に大きな力となる。教える立場になる」と話した。

 

 小樽市総務部災害対策室・安藤斉主幹が講師となり、災害の特性として予測が困難で、1944(昭和19)年から市内の震度4以上の地震で、7年に1度の頻度で11回発生した一覧を見せなど、「小樽市の災害と防災と自助・共助・公助の役割」について語った。

 

 留萌沖でM7.8の地震が発生した場合、小樽市内では震度6強の揺れとオタモイ海岸に8.3mの津波が発生すると予想。市内の活断層は未確認で直下型の地震の可能性は少ないが、小樽は海外線が長く津波の被害を受けやすい。

 

 坂のまちで急傾斜地が多く雨が降ると河川の流量が増え、2023(令和5)年9月には、初の記録的短時間大雨情報が発令され、土砂災害警戒地域は514カ所もあり、小樽は札幌の2倍以上土砂災害が発生しやすいことが分かった。

 小樽市で予想される災害は少ないとか、被害が大きくならないなどと思い込む「正常性バイアス」と言われ、災害への備えが不十分になり災害に弱い傾向。予想される特性に応じて、物心両面で災害に備えることが重要だと強調した。

 

 また、自助(各人・各家庭)・共助(地域)・公助(行政機関)は得意・不得意を補い連携し、実際に地震が発生した時には自助7:共助2:公助1だったことも分かり、「災害はいつか必ず身近に起こると思って、ハザードマップの確認や情報の入手手段・備蓄品を確保しておく。

 

 近所付き合いを通じて自分の存在を知ってもらい、共助の基となる人間関係を作る。正確な情報を速やかに判断し自分の身を守る行動をとる」と、日頃から心がけるよう伝えた。

 

 生徒たちがグル-プを作って坂のまち防災学習ゲームを実施し、望洋台特有のリスクを理解し、災害時に役立つ行動を意識して安全・迅速・正確さをテーマに、バケツリレーと介護車いす介助リレーの2種目で防災運動会を開催した。

 

 競技に参加した3年男子生徒は、「今年6月に釜石に見学旅行に行き、被災したところを見てきた。生まれた時から小樽に住み大きな災害に遭遇していないが、講話で小樽で起こった、または起こりうる災害について聞くことができて良かった。今後に繋げたい。学校では定期的に避難訓練していて、しっかり学校で教えてもらっている」と話した。

 

 ◎小樽市〜防災(外部)

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