野田恭吾展 アーティストトークで開幕

 小樽出身で現在も小樽在住の画家・野田恭吾さんの作品展が、7月18日(土)~9月20日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室で開催している。
 
 小樽・後志の風景を追った初期作品(1988~1998年)、表現・作風の変化(1999~2017年)、暮らしと歴史の痕跡(2018~2025)の変遷など、全38点展示している。
 
 初日の18日(土)は、10:00から作品の展示会場でアーティストトークが行われ、35人が出席した。
 作品の解説や、絵に対する気持ち、作品の裏話、世界観など、普段聞けない貴重な話を聞いた。
 野田さんは、1957年に小樽(旧塩谷村)に生まれ、左利きで工作が大好きな少年だった。
中学校にも美術部がなくて、美術専門の先生との接点がなく、我流で絵を描いたり、ものづくりを楽しんでいた。潮陵高校に入ってはじめて美術部に入部し、北海道教育大学函館分校を卒業後は、島牧、蘭越、小樽で美術教師を務めながら、小樽美術協会会員、道展会員として、精力的に作品を発表してきた。
 
 今の作風があるのは、小樽に戻ってきて野田さんが大きな影響や指導を受けた、風景画家で教師の冨澤健先生と出会いにも触れた。
 
 1988年初期の頃は、海にある風景画を描いた。今回出展作品の中で一番古い1988年「岬 黒屋根」は、勤務地が島牧だった頃、いつも通る寿都の弁慶岬を描いた作品で、道路に雪が積もらないほど風が強くて、真ん中の集落は、今はなき学校周辺の家で、度々のトンネル崩落事故で、通行止めとなったりした。その後、転勤で小樽に戻ったが、頭の中には後志の風景が強烈に残っていたという。
 
 2003年頃から崖や石壁をモチーフとした「心象風景」に変化し、まちを歩き生活の中で見つけたものを構成した。2018年に教職を退き、石蔵と痕跡と画風が変化した。小樽の街を徘徊して発見した、旧小樽倉庫の石壁が、削られたり剝がれたり、深さや線の太さにも違いがある事に驚いた。
 
 2025年制作の「沈黙の風景」が一番新しい作品で、道展出品作品で、「解体現場から着想した作品」と、裏話をしてくれた。
 描く上で大切にしている事は、「沢山あり、失敗もあり、野球でいうと、3割バッター。10点のうち3点良しでいい」と話し、「私の作品は、派手ではなく綺麗でもない、上手くもない、観る方に何かひっかかるものがあれば、自分では満足、鑑賞してもらえればありがたい」と、話した。
 
 海を背にした心象風景 野田恭吾展
 7月18日(土)~9月20日(日)9:30~17:00(最終入館16:30)
定休日:月曜日(7月20日を除く)7月21日(火)・22日(水)・8月12日(水)
 要観覧料
 
 関連事業
 こどもワークショップ「落ち葉・枯れ葉・元気な葉」受付終了 参加無料
 8月5日(水)10:00~12:00
 
 ミュージアムコンサート 8月16日(日)14:00
 出演:井川太朗(クラリネット)、青木晃一(ヴィオラ)、永沼絵里香(ピアノ)
 
 山田菜月学芸員による作品解説「海に向かう画家、海を背にする画家」
 9月13日(日)14:00~
 受付申込、問い合わせ :0134‐34‐0035