5月7日(水)小樽商科大学(緑3・穴沢眞学長)の誓いの碑前で、13年前に起こった飲酒による学生死亡の追悼式が実施された。遺族をはじめ、穴沢学長や学校関係者・学生ら約100人が出席し、追悼の意を捧げた。
2012(平成24)年5月7日に同大アメリカンフットボール部部員が、大学内のグランドでバーべキューパーティーを行った際、過度な飲酒により部員9名が急性アルコール中毒で救急搬送され、24日に1名が死亡。入学したての尊い命が奪われ、部員50名が無期停学などの懲戒処分、同年7月に同部を廃部とした。
穴沢学長は、「その無念さと悲しみに心を寄せ、私たち教職員一同と在校生はここに改めて哀悼の意を表したい。本学では、学生の飲酒禁止や飲酒強要の禁止などの指導と教育を継続してきた。月日が流れても1人の尊い命が亡くなった事実は消えることはない。私たちは、飲酒事故を未然に防ぐことが出来なかったことを心より反省し、二度とこのような事故が起こらないことをここに誓う。そして、誓の碑の前で故人を追悼し、改めて飲酒事故防止に取り組む強い決意を表明する」と述べた。
学生自治会・金子侑里香副会長(3年)は、「あの事故で青春を謳歌するはずだった先輩を失った。それ以来、学生の間でも悲しい事故が起きてしまったこと、事故を繰り返してはいけないことを、今も先輩から後輩へ語り継がれている。今日の碑の前で改めて飲酒事故再発防止に努めることを誓う」と約束した。
遺族と学長・自治会長の4名で献花し、全員で1分間の黙とうを捧げ、故人の冥福と飲酒事故防止を誓った。
参列した遺族は、「年月が経ったけれど、いつも思うのはどれだけ時を遡ればあの子を守って助けてあげられるのだろうか。アメフトをやりたいとお願いされた時なのか、ここの大学に入りたいと言った時なのか、高校時代なのか、どこまで遡ればあの子を守ることができたのかと思うと、答えが出なくて毎日辛くて悔しい気持ちでいっぱい。
二度と事故が起きないように、学生や大人1人1人が気を付けていただければと思う。ここで学生の姿を見ると、4年間ここで過ごさせてあげたかった。当の本人も馬鹿なことをしたと後悔していると思う」と悲しみを振り返っていた。
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