小樽市初 自動運転EVバス実証運行開始

 

 小樽市(迫俊哉市長)では、株式会社マクニカ(本社:神奈川県・原一将代表取締役社長)と北海道科学大学の協力を経て、小樽市初の自動運転EVバス実証運行を8月18日(月)から開始した。

 

 実証運行に先立ち、小樽国際インフォメーションセンター(港町5)前広場で出発セレモニーを開催し報道向けに試乗会を行った。

 

 迫市長・佐藤剛正同社常務取締役・石田眞二北海道科学大学副学長と、バスラッピングをデザインした同大3年の大橋茉梨乃さんが出席。ゆるきゃらの運がっぱも登場して出発式を盛り上げた。

 迫市長は、「全国的にもバスのドライバー不足のため、路線バスの減便が進み廃線予定の区間もある。地域の公共交通の維持が将来的に厳しくなると見ている。2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す“ゼロカーボンシティ小樽市”を宣言した。様々な課題があるが、実証運行を通じて、実現化に向けての課題を検証したい。多くの皆さんに次の世代の交通に思いを馳せてもらいたい」と挨拶した。

 

 佐藤常務は、「本実証は、小樽運河エリアにおいて環境や景観に配慮した乗り物で、観光客や地域住民が快適に移動し、更なる賑わいを作ることも目的のひとつとしている」と期待を寄せている。

 同大未来デザイン学部メディアデザイン学科にラッピングデザインを公募し、関係者と小樽市職員の投票で、小樽切子のガラス工芸をモチーフに波や灯台が表現された大橋さんのデザインが採用され、「小樽はガラス産業が有名ということで、小樽の独自のガラス文化を探したところ、小樽切子があることを知りモチーフにした。採用されるなんて信じられなかった。あったらいいなと思うようなデザインを作れるデザイナーになれれば」と話した。

 

 バスの乗務員不足を背景に、将来的なバス路線維持を目指し自動運転EVバス導入の可能性を検討するため、今回の実証は保安員も同乗し、基本的に自動運転で走行するが、車両にオペレーターが乗車する自動運転レベル2で、障害物などを検知すると自動停止し、オペレーターが手動で運転をサポートし監視しながら運行する。最高速度25km/h・平均15km/h 、1回の充電で9時間100kmの自動走行が可能。

 

 ルートは全て左折で、小樽国際インフォメーションセンター〜小樽運河ターミナル〜小樽堺町通り〜かま栄本社前〜小樽芸術村を通り、小樽国際メーションに到着する3.7kmを、約40分かけて安定した運行ができるかを確かめる。

 

 試乗期間は、8月18日(月)〜31日(日)の各日9:00~16:40で、1日7便を運行。1便あたり定員8名で乗車無料。市民は奇数便で予約サイト(外部)から予約可能。 予約に空きがあれば乗車可能で、偶数便は当日先着順。

 

 初日18日は13:00の便から市民らを乗せて運行した。

 

 ◎小樽市とマクニカ、小樽市初の自動運転EVバス実証運行を開始(外部)

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