市立小樽美術館協力会(秋野治郎会長)の協力を経て、市立小樽美術館(色内1苫名眞館長)で、9月6日(土)13:30から、現代美術家・池田緑氏とフォトグラファー・高木陽春氏の開催中の展示会を作家本人の解説に耳を傾けながら巡り、作家を囲んでお茶と菓子を味わい午後のひと時を楽しむ企画を行った。
6月21日(土)から9月7日(日)まで「マスクに覆われた世界」を一原有徳記念ホールで開催中のインスタレーションの現代美術家・池田氏は、日本製のガーゼマスク使って、海外などで悪化する自然環境の保全を願ったインスタレーヨン「マスク・プロジェクト」の一部を展示したり、一原氏と文通した貴重な手紙も展示紹介した。
同プロジェクトは、2011(平成23)年3月11日に東日本大震災が発生し、マスク本来の使われ方をしたのだからと、ハルカヤマ芸術祭の出展で締めくくったことなどを語った。
一方、7月19日(土)からは、同館中村全博記念ホールで、新たな発見や共感を楽しむ写真展「高木陽春写真展―みちノヒカリ」が開催中で、雑誌の撮影をきっかけに小樽を初めて訪れた同氏は、2024(令和6)年10月20日から開催の同館企画展「絵画で見る炭鉄港三人展」で投影した内野一郎氏がプロデュースした「小樽聖」の写真も撮影している。
今回は、観光地ではない小樽を広範囲に歩き、植物・夕日・山・海・人・水・岩など、今に生きる小樽の瞬間を撮影した大小合わせて25点を会場に展示し、観覧者と一緒に展覧会会場を巡った。
遠田同協力会副会長は、「施設の中庭ではアニメパーティが開催される中、2人のギャラリートークが行われ、小樽の町並み・風景・人物などを写真に収めた高木氏と、ニューヨークや国内外の至るところでマスクによる制作をされた池田氏の作品を同時に鑑賞する貴重な機会となった。
写真と現代美術、小樽と海外、そして男性の眼差しと女性の感性、それぞれ異なるおのおのの世界が響きあうことで、私たちの小樽や世界を新しい角度から見つめ直す機会になったのではないかと思う。ぜひ先生を囲み、皆さんと交流してもらいたい」と挨拶した。
3階一原記念ホール前エントランスでは、飲み物とケーキで来場者をもてなし、2人の作家も同席し来場者は貴重な時間を過ごしていた。