鳥獣保護管理法の一部の改正に伴い、市町村長を実施権者とし、人の日常生活圏での緊急銃猟が可能となり、小樽市(迫俊哉市長)ではヒグマ緊急銃猟対応マニュアルを策定。2月17日(水)10:00から市役所(花園2)2階記者室で説明会を開いた。
ヒグマは北海道の豊かな自然を代表する野生動物で、 これまで保護に重点を置いた施策を実施していたが、小樽市は、 積丹・恵庭地域に含まれ年々ヒグマが増えていく状況。出没した場合の対応として、 目撃情報が警察や小樽市に寄せられ、小樽市と警察署・ヒグマ防除隊の3者で、現場確認を対応している。
小樽市ではヒグマゾーニング計画を今年8月に作成。 ゾーニング図には、これまでのヒグマ出没地域を6カ所指定し重点対策エリアとした。

これまでヒグマ防除隊が行っていた出没情報の痕跡確認などの現場の立ち合いや、推測されるヒグマ対応とは別に、ヒグマが市民の生活圏内に出没、またはヒグマがいる可能性が極めて高い場合に平時から体制の整備や対応フロー等など、緊急銃猟実施に至る手順をまとめておき、予測が難しいヒグマの出没に対して人身被害の発生やおそれが生じた場合、適切かつ迅速に対処するため関係機関と連携体制を整備し、情報共有を図り、円滑な銃猟実施によるヒグマ被害の発生及び拡大を未然に防ぐことを目的に制定。
環境省は、ヒグマを指定管理鳥獣に指定し保護から管理へ政策を転換。これを受けて、 北海道ヒグマ管理計画を改定しゾーニングを行って個体数を管理。810頭を420頭に。10年間の目標捕獲数は920頭とした。
緩衝地帯では、問題個体に関わらず箱罠をしかけて個体数の管理をする。 まちなかに出た場合の対応として緊急銃猟マニュアルを策定。1月中に運用を開始。
日常生活圏にクマの出没が増えている現状を踏まえ、 住宅密集地における銃猟は禁止されていたが、 状況に応じて銃猟実施が可能となる。

マニュアルには、目撃者からの通報を受け、実施要件として、ヒグマが人の生活圏に侵入・ヒグマによる人の生命・身体への危害を防止する措置が緊急に必要。猟銃以外の方法で的確かつ迅速にヒグマの捕獲が困難、住民や第三者に銃猟による危険を及ぼす恐れがないこととして、緊急銃猟の実施が必要か小樽市で判断する。
猟友会小樽支部には現在34名が在籍。緊急銃猟対応には10名から承諾を得ていて、平時から関係機関との意見交換や訓練を実施し、その結果を踏まえ、同マニュアルの内容を適時改正するとしている。



