小樽の歴史と自然をいかしたまちづくり景観審議会(小林孝二会長)では、11月25日(火)に小樽市都市景観賞を選考し、第26回小樽市都市景観賞3件・小樽市都市景観奨励賞1件を決定し、12月24日(水)13:00から市役所(花園2)2階市長応接室で表彰式を行った。
小樽市都市景観賞「群青」の有限会社ラウンドアップトレーディング・中村健一代表取締役、小樽港港湾ターミナル設計者の株式会社遠藤建築アトリエ・高山英一総務部主幹、本田翔一主幹 施工者の近藤工業株式会社・中村裕市専務取締役、辻和彦建築部長、小樽住ノ江火の見櫓とまもる会の活動・早川陽子代表と高野宏康 副代表、小樽都市景観奨励賞「歴史ある建造物群とその保存・利活用を目指すプロジェクト『裏小樽モンパルナス』」の活動」平山三起子代表と平山秀朋副代表が出席した。
迫俊哉市長は、「群青は歴史ある建物を有効に活用され注目を集め、活用しながら残すことは難しいし苦労もある。小樽の課題でもある回遊性を高められるよう、多くの皆さんに来ていただきたい。
小樽港観光船ターミナルはデザインも素晴らしく、色々な配慮がされている。太陽光や月光が水面に映り、新しいラウンドマークとして交流スペースができ、沢山の皆さんに注目される。
小樽住ノ江火の見櫓は、地域遺産を守る活動は地道な活動で心から敬意を表する。古い構造物をどう保存するか課題も多い。豊かな歴史と文化を生かしたまちづくりを進めている。
裏小樽モンパルナスの活動は、古い建物を利用しているだけではなく、そこを拠点に様々な文化を発信していただいている。個人的にも楽しみにしている」と、それぞれの受賞について述べた。
中村代表取締役は、「自分たちでできることは極力自分たちで行い、手をかけることによって隅々まで答え合わせをしていくような取り組みも。建物を熟知した段階で設計をお願いした。小樽に魅了され数十年。いろいろな歴史的建造物を見てきたが、ここに開業するにあたりロケーションを注視し、この物件に魅力を感じた」と話した。
同ターミナル設計・施工関係者は、「海から天狗山が望める2階からの広いテラスが小樽にはなかったので仕掛けた。今後、観光拠点になると思う。カテナリー曲線の屋根の設計は、なかなか難しかったがやりがいがあった。歴史的な三角屋根の倉庫にオマージュした。将来の小樽の発展を目指す太陽が反射したり景観に寄与している」と話した。
早川代表は、「今年98年が経ち、国の登録有形文化財(建造物)に申請する予定で、3つの条件のうち、国土の歴史的景観に寄与している事を今回の受賞でクリアできた。造形の規範となるものについては、構造体、かたち、デザイン等に特徴的なものを見出す事ができ、再現することが容易でないものについては、昭和40年代から50年代には機能廃止や解体されはじめ、多くの火の見櫓が滅失した。このような火の見櫓の誕生から現在に至る経緯を考えるとき、小樽住ノ江火の見櫓が今、存在していることこそ貴重であり価値があると言える」と、述べた。
平山副代表は、「一番古い建物が100年を迎えることから、裏小樽ワンハンドレットをテーマに1年間を計画。そのうちのひとつが、おたる潮まつり60周年に合わせ梁川通りと潮まつりに特化した展示イベントを企画中。梁川通りは、藤森茂男さんや米谷祐司さん、潮おどり唄の歌詞を書いた萩原貢さんが住んでいたり、キーパーソンが梁川通りと繋がっている。ふれこみの出発も梁川通りからで、梁川通りに惹き付けた潮まつりの展示を企画。関連して、梁川通りの歴史を彩ってきた人たちやこれからの未来を作っていく人たちをフューチャーし、高野先生の協力で歴史と繋げたイベントを開催し、最終的には冊子にまとめる予定」と今後の企画を語った。
景観賞受賞物件には、後日銘板が設置される。
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