しりべし経済レポートvol.118 管内経済は持ち直している

 北海道財務局小樽出張所(港町5・清水雅之所長)は、しりべし経済レポートvol.118(令和7年10月~12月期)の発行に合わせて、3月4日(水)10:00から記者発表を行った。
 
 同レポートの総括判断では、管内経済は持ち直していると判断し、12期連続で前回判断を据え置いた。
 
 個人消費、観光、住宅建設、公共工事、生産、雇用の各項目について調査し、住宅建設のみ持ち直しの動きに一服感がみられ、2期ぶりに下方修正したが、ほかは、持ち直しつつあるや回復しつつあるなど前回判断を据え置いている。
 
 
 清水所長は、各項目について説明した。
 
 個人消費については、持ち直しつつあると判断。
 
 主要小売店売上高は、節約志向が継続しているが、物価高の影響から前年同期を1.2%上回った。
 
 個人消費に関する生の声では、惣菜系の即食簡便需要が強く、店舗でもクリスマスや正月らしいものを買ってもらえるように、ファミリーサイズや1人用サイズの寿司やオードブルの売れ行きが良かった。
 
 新車登録・届出台数の推移は、軽自動車や小型乗用車に人気があることから、前年同期を4.1%上回った。
 
 車検代に1月まで使用できた小樽市のプレミアム商品券を使う顧客もいた。
 オイル代やタイヤ交換にかかる費用が高止まりしていて、費用についてはシビアな様子がうかがえる。
 
 観光に関しては、回復しつつあると前回判断を据え置いた。
 
 主要観光施設利用者数は、前年同期を4.1%下回り、主要宿泊施設宿泊者数は、前年同期を11.2%下回った。物価高の影響や一部海外団体客の減少の影響で前年を下回っている。
 
 中国からの団体客数は大きく減少したが、円高の影響で、東アジアからの個人客は引き続き来店していて、消費額の影響はさほど大きくなかった。
 
 住宅建設は、持ち直しの動きに一服感がみられると、前回判断を下方修正している。
 
 後志管内20市町村の新設住宅着工戸数は、前年同期を39.9%下回った。持家、貸家、給与住宅、分譲住宅のすべての項目において前年を下回っている。
 
 物価高騰が進んだことで家を建てる際の工事費が増加し、件数が微減している。土地の価格は高止まりし、建築費の高騰も目立つ。
 
 公共工事では、年度累計で前年を上回ると判断し、前年を据え置いた。
 
 生産も持ち直しつつあると判断。サケ等の不漁による原材料不足に加えて、円安に伴う仕入れ価格上昇の影響から低調となっている。
 
 雇用は、緩やかに持ち直している。
有効求人倍率は前年を下回り、有効求職者数、有効求人数共に、前年を下回っている。新規求人数も前年を下回り、民間求人媒体を積極的に利用している声があり、企業の求人意欲が高い状況が続いている。
 
 シニア層の求職は引き続き増加、求人倍率は1.0倍を上回り、人手不足が続いている。箱の組み立てやシール貼りなどの軽作業で募集したところ、予想以上の応募があった。
 
 先行きについては、「雇用、所得環境が改善される中で、各種政策の効果もあって、持ち直していくことが期待される。物価動向、米国の通商政策、金融資本市場の変動等の影響に注意する必要がある」と、述べた。
 
 
 特別調査では、後志管内の海業について発表した。
 
 海業は、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する事業で、国内外からの多様なニーズに応えることにより、地域のにぎわいや所得雇用を生み出す事が期待されるもの。
 
 水産庁では、海業の推進に取り組む地区を、全国86団体決定し、北海道では10団体のうち後志管内は6団体決定され、小樽市祝津漁港もそのひとつで、旬の地魚で地域水産業を学ぶ拠点「おたる海の学校」を令和7年8月にはじめてウニをテーマに開催し、同年11月にシャコ、令和8年2月に鰊、4月に海藻をテーマに開催を予定している。
 
 調査の結果、地域の水産業を維持するだけではなく、雇用創出や観光との結び付きなど、地域の活性化を目指す取り組みを実施、検討されている事も分かった。後志管内の水産業を支えている漁港が関係各所と連携し、地域を活性化している様子に今後も着目し、調査を行っていきたいとした。