海ノ民話アニメ「オタモイ地蔵」完成上映会 約150名来場

 一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、このほど、江戸時代末期、北前船の往来が増加しつつあった小樽に伝わる民話をもとに、海ノ民話アニメーション「オタモイ地蔵」を完成させ、3月8日(日)小樽市立塩谷小学校(塩谷2・渡辺琢史校長)体育館で上映会が開催され、約150名の来場者が訪れ、アニメーションを鑑賞しトークセッションに耳を傾けた。

 
 同プロジェクトは、2018(平成30)年にスタートし、日本の国の海との深い繋がりと、地域の誇りを子ども達に伝え語り継ぐ事を目的に、審査で選ばれた民話のアニメ化を実施。
 
 2024(令和6)年度末までに92本を制作し、この度、オタモイに伝わる民話「オタモイ地蔵」も含めて25本が新たに加わり、総数は100本を超える事となった。
 
 各自治体では、新しい観光資源としてPRし上映会などを開催し、民話への理解を深め、キャラクターを元に商品開発をしたり、自治体のPRにも活用するなど、地域に新しい波を起こす事を期待している。
 
 民話が伝承されているエリアを「海の民話のまち」として認定し、上映会に先立ち同日9:30より同校校長室で関係者が集まり、一般社団法人日本昔ばなし協会代表理事でアニメ監督の沼田心之介氏より迫俊哉小樽市長に海の民話認定証を、海ノ民話アニメーションプロデューサーの沼田友乃介氏よりオタモイ地蔵尊奉賛会の高野宏康氏へ、アニメパッケージ(DVD)を手渡した。
 
 内容は、北海道小樽市に伝わる海の民話で、小樽と越中が北前船で結ばれていた時代の話で、多くの人々が海の道で小樽に移住した頃、裕福な医者の娘は若い職人に恋をして、その青年が北前船で小樽へ渡ると知り、ひそかに北前船に乗り込んだが、女人禁制の掟を破った船は激しい嵐に遭遇し、娘は自ら海に身を投げた悲しい物語。
 
 アニメを見た迫市長は、「小樽市が海ノ民話のまちとして認定されとても嬉しく思う。合わせて、立派なアニメを制作していただき感謝する。悲しい女性の話で、他にも様々なドラマがあったと感じている。
小樽は松前等と共に北海道の北前船の寄港地で、小樽運河沿いには、北前船主が残した倉庫が沢山並んでいて、小樽の歴史的街並みを形成している。改めて、多くのみなさんにアニメを見てもらい、北前船が果たした役割、命がけの航海だったことなどを理解してもらい、オタモイ地蔵を次の世代に伝承していけるよう努めたい」と、話した。
 
 高野氏は、「オタモイ地蔵の民話は知られていたが、土砂崩れの危険性により参拝が難しい事や、2022年にお守りしていた方も亡くなり、非常に語り継ぐには難しい危機的状況。北前船の研究もしていて、小樽に渡って来られた民話は、小樽のルーツを考える上で大事で、アニメの形となり伝えやすくなり、幅広い年代の人に見てもらいたい。どんどん上映していきたい」と、話した。
 
 沼田監督は、「半年前からロケハンで一緒に回り、117本作っているが、トップ3に入るぐらい過酷な状況で危険な場所だった。なかなか行けないと伝わり辛くなるが、このアニメで知ってもらい、その頃沢山の人が、死と隣合わせで北前船で航海した事をアニメから想像でき、アニメを通じて、北前船や海にも興味を持ってもらいたい。アニメをぜひ、活用してもらいたい」と、話した。
 
 沼田プロディーサーは、「小樽は観光のまちなので、外国人の方にも見てもらいたい」と、期待した。
 
 10:00より体育館で、塩谷桃内まちづくり推進委員会(前田正夫会長)主催、小樽市海ノ民話のまち実行委員会の共催で上映会が開催された。
 
 アニメを見た同校卒業生の男性は、「日本昔ばなしの地域の民話ができ、何とも言えないしみじみとしたものがある。」と、感慨深かった。
 
 
 引き続き、沼田監督と小樽商科大学非常勤講師の松田義章氏、高野氏の3名でトークセッションが行われた。