市立小樽美術館(色内1)の令和8年度特別展「回帰抄ー福井爽人・福井時子日本画展」が、同館2階企画展示室で、4月25日(土)より始まった。
父の転勤で1939(昭和14)年~1954(昭和29)年まで小樽で過ごした兄妹は、ともにこの地で感性を育み、時子氏の逝去を機に、ふるさと小樽での初の二人展を開催した。

日本美術院出品作品や本展初公開作品も含めて17点ずつを展示していて、創作の幅を広げた時子氏の装幀の仕事も紹介している。
爽人氏(1937ー)は、旭川に生れ、父の転勤で小樽に移住。小樽市立住吉中学校から小樽潮見台中学校へ転校し、美術講師の河野薫氏の指導を受ける。小樽潮陵高校、札幌北高等学校に転入学し、卒業後に上京。日本大学芸術学部造形専攻に入学。恩師の河野氏も東京に移住。平山邦夫と出会う。日大を中退して、東京芸術大学美術学部絵画科目日本画専攻に入学し、同大大学院へ進み、同大名誉教授。
6歳違いの妹時子氏(1943‐2024)は、小樽市潮見台に生れる。小樽市立量徳小学校に入学する。1954(昭和29)年に、兄よりも先に上京し、兄よりも2年遅れで東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻に入学し、同大大学院に進む。院展で奨励賞を受け特待に推挙された。

会場は、大きな作品が並び、青が響き合いふたりの共通色で、豊かな自然が織りなす詩情的な風景など共通点も多い。
爽人氏は、「小樽は自然が沢山あり、ふたりとも小樽が好きだった。作品には、小樽で過ごした頃の感覚が無意識に表れていると考える。光と影は、北国で養われたもの。妹ははにかみ屋のタイプ。存命だったらこの作品展は無かったかもしれない。」と、語る。
会場には、爽人氏の芸大時代の初期の作品で、1966(昭和41)年の「孔雀」は、幾何学的な表現で描かれ、時子氏の同大卒業後の1973(昭和48)年の「ひまわりと緑の窓」も同時に観賞できる。

星田学芸員は、「爽人先生は緑が入った青の世界で、時子先生は桃色と青の二つの世界が響きあって魅了される。時子先生の作品をはじめて紹介する事となり、北海道出身の作家でとても活躍された方で、爽人先生を尊敬されていた。院展出品代表作の大きな作品を会場に運び、爽人先生と時子先生が共演するような形で展覧会を開く事ができた」と、話す。
開幕当日4月25日(土)14:00~15:30まで、福井爽人氏による「小樽から出発した 私と妹のあゆみ」と題してアーティストトークを開催する。
回帰抄 福井爽人・福井時子日本画展
4月25日(土)~7月12日(日)9:30~17:00(入館16:30まで)
休館日:月曜日(5月4日を除く)4月30日・5月7日・8日・12日・13日
市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室
要観覧料
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